患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
令和2年11月頃より右足に坐骨神経痛が出現するようになられました。脊柱管狭窄症と診断され、令和3年7月に外科的手術(椎弓切除術)を受けられました。右足の坐骨神経痛は改善を認めたものの、しばらくすると左足に新たな坐骨神経痛が出現したため当クリニックを受診されておられます。
診察と検査結果
腰のMRI検査ですが3箇所の椎間板が変形し潰れかけている状態です(椎間板ヘルニアと椎間板変性症と言います)。同時に足の神経も圧迫を受けており脊柱管狭窄症と呼ばれる状態になっています。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
損傷した椎間板3箇所(L3/L4、L4/L5、L5/S)に対して検査と椎間板治療を行い、坐骨神経痛の改善を図りました。
鎮静剤を用いて寝ていただいた後に、局所麻酔を使用しながら治療用の管を椎間板まで挿入しているところです。患者様は微動だにされません。
椎間板の損傷が強く治療用の管を変形させて、レントゲン透視装置を用いて目的の位置まで挿入しているところです。
患者様は最後まで寝ていただいております。
椎間板検査の様子です。この後椎間板治療を行い椎間板の損傷を修復しております。治療時間は17分でした。2時間ほどで歩いて帰宅していただいております。
院長より一言
昨日は寒く、暖房をつけっぱなしにして寝てしまいましたので喉を傷めてしまいました。本日の外来では、難聴の患者様も来院されたことから大きな声でご説明をする必要があり、診察中に私の喉が枯れるという失態をしてしまいました。午後の外来はのど飴を舐めながら頑張りましたが、患者様にはご迷惑をおかけしてしまいました。今日は帰りに電気屋で加湿器を購入する予定です。若い頃はこの様な事は無かったような気がしますが、45歳となると体のメンテナンスが必要なのでしょうか……。少し寂しく思います。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
椎間板変性症
椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。