治療症例/ 院長ブログ

椎間板ヘルニアによる腰痛発作で動けなくなる50代女性

患者様の情報

50代 女性

疾患・症状


診察と検査結果

MRI

腰のMRI検査ですが、腰を横から観察しており、向かって右側が背中側となります。腰は腰椎と呼ばれる比較的小さな骨が縦に並んで出来ており、腰椎と腰椎の間にはクッションである椎間板が存在しております。腰椎と椎間板の傍には足の神経が通っており、神経の通り道を脊柱管と言います。このMRI検査では1箇所の椎間板が大きく飛び出しており、椎間板ヘルニアと呼ばれる状態になっており、その他2箇所の椎間板は潰れかけており薄くなっており、椎間板変性症と呼ばれる状態です。


施術内容

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)+PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)

椎間板ヘルニア部分に関しては、PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)を行い、椎間板変性症で潰れている椎間板に対してはディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行っております。今回は腰部椎間板L3/L4の1箇所にPLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)、L4/L5、L5/Sの2箇所にディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。

治療風景①

局所麻酔で痛みを取り除き、治療用の管を椎間板まで挿入していきます。

椎間板の検査を行っておりますが、黒く映ってくる部分が椎間板の損傷部位であり、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)により、椎間板の修復を行いました。

治療風景②

椎間板ヘルニアの部分に対しては、PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)を行っております。この写真では、耳にイヤホンをつけておりますが、レーザー波の状態を確認しているところになります。

PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)のテスト照射動画です。治療時間は20分程でしたが、特に問題もなく治療は終了しております。


院長より一言

本日は74歳男性でディスクシール治療(Discseel® Procedure)後3ヵ月経過された患者様が来院されました。元々歩行する事が困難でしたが、治療後より歩けるようになっておられました。しかし、足裏のしびれの改善が無い為にご相談に参られました。ディスクシール治療(Discseel® Procedure)により改善はみられるのですが、部分的に症状が残存するケースもあり、歯がゆい気持ちになります。今後しびれに関する新たな知見や治療法があれば、研修項目に追加する予定にしております。


今回の治療法

PRP療法(多血小板血漿療法)

治療期間

日帰り

治療費用

330,000円~495,000円(税込)

リスク・副作用

治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。

禁忌事項

血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。


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この記事の著者

医療法人蒼優会 理事長・野中腰痛クリニック 大阪本院 院長:野中康行

大阪本院 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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