はじめに
寒さが厳しくなるにつれ、「朝、布団から出るのが怖い」「デスクワークの後に腰が伸びない」といった悩みを抱えていませんか?
実は、冬場に腰痛が悪化すると感じている人は非常に多いのです。
今回は、野中腰痛クリニック(医療法人蒼優会)が20~60代の男女1,005人を対象に行った「冬の冷えと腰痛の関係」に関する調査をもとに、冬の腰痛が悪化する理由と、今日からできる「具体的な対策」について解説します。
目次
あなただけではない — 冬の腰痛は「多数派」
「寒くなると古傷が痛む」とよく言われますが、これは気のせいではありません。調査によると、腰痛持ちの約6割が「冬場に腰痛が悪化する」と感じています(よくある16.6%、ときどきある45.1%)。
さらに、約9割の人が「冷え」と「腰痛」には関連があると感じており、「温めると痛みが和らぐ」という実体験を持っている人が半数近くにのぼります。つまり、冬の寒さは、多くの人にとって腰にとって明確な敵なのです。

なぜ冬に腰痛は悪化するのか? — 医学的メカニズム
冬の腰痛悪化には、3つの医学的な要因があります。
- 1.血流悪化による筋肉の硬化
寒冷刺激により、体は末梢血管を収縮させ、腰部の血流が低下します。その結果、腰周辺の筋肉が酸素不足となり、ガチガチに固くなってしまいます。
- 2.神経の過敏化
冷えた筋肉は神経を圧迫しやすくなり、痛覚がより敏感に反応するようになります。
- 3.体を冷やさないための「防御的な姿勢」
無意識のうちに身体が縮まり、腰への負荷が増加します。
腰痛が悪化しやすい「危険な瞬間」ワースト3
では、具体的にどのような場面で痛みが出やすいのでしょうか?調査で判明した「痛みが悪化する瞬間」ワースト3をご紹介します。
1位:長時間同じ姿勢でいたあと(57.3%)
デスクワークや運転などで「長時間同じ姿勢」でいた直後。冬場は寒さで血流が滞りやすく、既に筋肉が固まっている状態。その状態で急に動こうとすると、腰に強烈な負荷がかかり、痛みが誘発されやすくなります。
- 対策のポイント:定期的な姿勢変更と軽いストレッチが特に重要です。
2位:重いものを持ち上げたとき(49.5%)
冷えた状態では、腰周辺の深層筋(腹横筋など)の活性が低下しており、荷重を支える機能が減弱しています。通常なら対応できる重さでも、冬場は急に負荷がかかりやすくなります。
- 対策のポイント:重いものを持つときは、事前に軽くストレッチして筋肉を準備することが効果的です。
3位:朝起きてすぐ動いたとき(42.7%)
就寝中は体温が最も低く、腰周辺の筋肉が硬直している状態です。布団から出て急に動くと、いきなり負荷がかかるため、特に朝は腰痛が出やすくなります。
- 対策のポイント:起床時の「準備時間」が最も効果的な予防になります。

6割が対策していない理由 — そして予防は「十分に可能」
ここが重要なポイントです。多くの人が「冷えは腰に悪い」とわかっていながら、実は約6割の人が「全く・あまり対策をしていない」という現状が明らかになりました。
その理由として、「何をすればいいかわからない」「面倒くさい」と感じている方も多いかもしれません。
しかし、希望のデータがあります。約8割の人は「生活習慣を見直せば予防できる」と感じています。 つまり「ほんの少しの行動」が、冬の快適さを左右するのです。

今日からできる!実践的な「冬腰痛」対策
調査で挙がった、効果的かつ実践しやすい対策をまとめました。優先度の高い順にご紹介しますので、まずは一つから始めてみましょう。
【優先度★★★ — 毎日の習慣】
①毎日のストレッチ(朝・夜の計10分程度)
調査でも、34.6%が実践し、効果を実感している最も推奨されるケア方法です。
特に効果的なストレッチ
- 朝起床時:座った状態で腰を左右にゆっくり回す(各5回程度)
- 就寝前:両膝を抱えて腰を丸める(20~30秒キープ)
※ストレッチ中に痛みが出現する方は、すぐに体操を止めてください。
②入浴習慣(毎日15~20分程度)
就寝の1時間前に、ぬるめのお風呂(38~40℃)に15~20分浸かることで、腰周辺の血流が改善され、筋肉の柔軟性が回復します。翌朝の辛さが明らかに変わる可能性があります。
【優先度★★ — 就寝中の対策】
寝ている間の冷えを防ぐことで、朝の痛みを大幅に軽減できます。以下から選択・組み合わせましょう。
- 防寒インナーを着用する
- 毛布を重ねて、腰周辺の保温を強化する
【優先度★ — 起床時の対策】
朝の「痛めやすい瞬間」をスムーズに乗り切るための工夫です。
- 起きた直後から厚着をする
- 白湯など温かい飲み物を飲む(体温の上昇と水分補給)
- 布団の中で軽くストレッチしてから動く
セルフケアで改善しない場合は? — 専門医への相談を検討する時期
「ストレッチも入浴も試したけれど、痛みが引かない」「冬になると、毎年同じ場所が痛む」「手術が必要と言われたが、長期の休みは取れない」
もしあなたがそのような症状を抱えているなら、セルフケアの限界を超えている可能性があります。
以下のような場合は、専門的な治療の検討が必要です
- 対策を続けても3週間以上改善しない
- 痛みが日常生活に支障をきたしている
- 医師から治療を勧められている
「冬だから仕方ない」と諦める前に — 専門医への相談という選択肢
長期の休みが取れない、手術は避けたいと考える多くの患者さんにとって、新しい選択肢があります。
野中腰痛クリニックの日帰り治療
大阪と東京に拠点を置く「野中腰痛クリニック」では、身体への負担が極めて少ない治療を行っています。
特徴
- 日帰り治療が可能:治療時間はわずか15~30分程度。仕事の合間に受けられます。
- メスを使わない:切開せず、局所麻酔と細い針のみで治療。回復が早いため、翌日から通常業務に戻れます。
- 幅広い対応:高齢の方(80歳以上)や、手術後に再発した方も治療対象です。
セルフケアで「冬腰痛」を乗り切ることは十分可能ですが、それでも改善しない場合は、まずは専門医に相談してみてはいかがでしょうか。
引用元・関連記事
※本記事のデータは、医療法人蒼優会 野中腰痛クリニックが実施した「冬の冷えと腰痛の関係」に関する調査に基づいています。
参照プレスリリース
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任