はじめに
「腰が痛いのに、レントゲンやMRIでは『異常なし』と言われた」「ぎっくり腰を何度も繰り返している」 そんなお悩みをお持ちではありませんか?
実は、通常の画像診断では見逃されがちな「椎間板のひび割れ」が、その痛みの正体かもしれません。
今回の記事では、野中腰痛クリニックのYouTube動画『MRIで見えるひび割れは「隠れた腰痛」の原因かもしれません。実症例を紹介しながら解説します!』より、MRI画像に現れる危険信号「HIZ」と、その治療の重要性について解説します。
動画で詳しく見たい方はこちら▼
目次
腰痛の隠れた原因「椎間板のひび割れ」とは?

腰痛や坐骨神経痛の原因はさまざまですが、その一つに「椎間板(ついかんばん)の損傷」があります。
椎間板に亀裂(ひび)が入ると、中にあるタンパク質が漏れ出し、それが炎症を引き起こして痛みとなります。しかし、厄介なことに「小さなひび割れは、通常のMRI検査ではほとんど映らない」のです。
そのため、当院では通常、造影剤を使った検査(アニュログラム検査)を行って損傷箇所を特定しますが、稀にMRIだけでハッキリと見えるほどの大きな損傷が見つかることがあります。
それが「HIZ(ハイ・インテンシティ・ゾーン)」と呼ばれるものです。
MRIで白く光る危険信号「HIZ」
HIZ(High Intensity Zone)とは、MRI画像上で椎間板の一部が「白く光って映る」現象のことです。

なぜ白く光るのか?
椎間板が割れ、そこで炎症が起きると「むくみ」が生じます。その水分量の変化が、特定のMRI設定で白く強調されて映るのです。
ひび割れのレベル
通常のひび割れが「乾燥した地面のひび」程度だとすれば、HIZとして映る割れ目は「雪山の巨大なクレバス」に例えられるほど、大きく深い損傷です。
【実症例】画像で見るHIZと実際の損傷
動画内で紹介された実際の症例を見ると、MRIで白く光っている場所(HIZ)と、実際に造影検査で液が漏れ出す場所(損傷箇所)が100%一致していることがわかります。
症例①:40歳女性(繰り返すぎっくり腰)
- MRI所見:椎間板の後ろ側に、上に向かって伸びる白い線(HIZ)を確認。
- 検査結果:造影剤を入れると、MRIの白い線と全く同じ場所から薬剤が漏れ出しました。これにより、HIZが「椎間板の亀裂」であることが確定しました。


症例②:30歳男性(しびれ等の症状)
- MRI所見:椎間板の上に向かって伸びる大きなHIZを確認。
- 検査結果:造影剤を入れた瞬間、HIZと同じ場所から漏れ出しを確認。「目で見てもわかるほどの大きな割れ目」になっていました。


症例③:50歳女性(ブロック注射が効かない)
- MRI所見:複数の椎間板に変性があり、2箇所に大きなHIZを確認。
- 検査結果:損傷が激しく、造影剤を入れた瞬間に「ザバザバ」と漏れるほどの大きな亀裂が確認されました。




症例②:30歳男性(しびれ等の症状)
- MRI所見:椎間板の上に向かって伸びる大きなHIZを確認。
- 検査結果:造影剤を入れた瞬間、HIZと同じ場所から漏れ出しを確認。「目で見てもわかるほどの大きな割れ目」になっていました。


症例③:50歳女性(ブロック注射が効かない)
- MRI所見:複数の椎間板に変性があり、2箇所に大きなHIZを確認。
- 検査結果:損傷が激しく、造影剤を入れた瞬間に「ザバザバ」と漏れるほどの大きな亀裂が確認されました。




HIZが見つかったらどうするべき?
MRIでHIZが見つかるということは、「現在進行形で炎症が起きている」あるいは「今後、大きなトラブルになる可能性が高い」ことを示唆しています。
残念ながら、30歳を超えると椎間板の繊維は自然修復することがほとんど期待できません。「大きな割れ目(クレバス)」は簡単には塞がらず、放置すると慢性的な腰痛の原因となり続けます。
HIZがある場合、現在は症状が落ち着いていたとしても、将来的な悪化を防ぐために「予防的な治療(修復治療)」を行うことも有力な選択肢です。早めに対処することで、慢性腰痛の予防につながります。

まとめ
- 通常のMRIでは見えない椎間板のひび割れも、炎症が強いと「HIZ(白く光る部分)」として映ることがある。
- HIZは「巨大なクレバス」のような大きな損傷を示しており、自然治癒は難しい。
- 画像所見(HIZ)と実際の損傷箇所はほぼ確実に一致する。
当院では、こうした詳細な検査と、多くの症例経験に基づいた治療を行っています。 「MRIで異常なしと言われたが痛い」「画像診断についてもっと詳しく知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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ご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。MRI画像からあなたの症状に合わせた治療を提案いたします。
今回ご紹介した当院の治療法
ディスクシール治療
この記事の著者
大阪本院 副院長石田 貴樹
2009年:高知大学卒業・医師免許取得、2012年:神戸市立医療センター西市民病院勤務、2013年:兵庫県立尼崎病院勤務、2014年:関西労災病院勤務、2019年:ILC国際腰痛クリニック勤務、2021年:野中腰痛クリニック勤務、2022年:2年間の研修を経て10月にライセンスを獲得、2023年:医療法人蒼優会理事就任・野中腰痛クリニック副院長就任