はじめに
「最近、腰が重いけれど、湿布を貼っておけばなんとかなる」 「ぎっくり腰をやったけど、痛みが引いたからもう大丈夫」
巷ではこんな声を耳にします。実は、多くの人が抱える腰痛の正体は、自然には治らない「進行性のトラブル」であることが多いのです。
今回は、当院(野中腰痛クリニック)のYouTubeチャンネルで公開した「腰痛は虫歯のようなもの|知らずに進行する「椎間板変性症」の原因・予防・治療法を解説」の内容を基に、30代を過ぎたら知っておくべき「腰痛=虫歯」という衝撃の事実と、従来の日本の治療とは異なる「新しい腰痛ケアの常識」について解説します。
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目次
「椎間板変性症」はあらゆる腰痛トラブルの入り口
腰痛持ちの方なら、「椎間板ヘルニア」「脊柱管狭窄症」「すべり症」といった病名を一度は耳にしたことがあるでしょう。こうした病名は交通事故のようにいきなり起こるものではありません。
すべての始まりには、必ず「椎間板変性症(ついかんばんへんせいしょう)」が存在します。

椎間板は「ウォーターベッド」
背骨と背骨の間にある「椎間板」は、本来7〜8割が水分でできており、ウォーターベッドのような高いクッション性を持っています。これが衝撃を吸収してくれるおかげで、背骨をスムーズに動かすことができます。
しかし、この椎間板が傷んでしまうのが「変性」です。 加齢や負担によって水分が失われると、椎間板は干からびたタイヤのように硬くなり、クッション機能を果たせなくなります。MRI画像で見ると、健康な椎間板は白く写りますが、変性が進むと真っ黒に変色してしまいます。

腰痛は「虫歯」と同じ?自然治癒しないという事実
ここで、最も重要なことは30歳を過ぎた方の椎間板は、「歯」と同じだと考えてください。
擦り傷は治るが、虫歯は治らない
皮膚の擦り傷は放っておけばカサブタになって治ります。しかし、虫歯はどうでしょうか?自然に元のきれいな歯に戻ることは絶対にありませんよね。
椎間板もこれと同じです。
- 20歳前後まで:修復能力がある。
- 30歳以降:血管が少ない組織のため、一度ひび割れると自然治癒することはほぼない。
「痛みが引いた」=「治った」ではない
「先週は痛かったけど、今は痛くないから治った」と思われがちですが実はそうではありません。それは単に「炎症が一時的に収まっただけ」に過ぎないからです。
虫歯に例えると痛くない時期があっても内部は徐々に進行していますよね。腰も同じで、痛みがない間も椎間板の「変性(劣化)」は静かに進行しています。これを放置し続けると、クッションが潰れきって骨同士がぶつかり、最終的には「手術」しか選択肢がなくなってしまうのです。
「悪化したら手術」はもう古い?腰痛治療の新常識
日本の従来の保険診療では、腰痛に対して以下のような対応が一般的です。
- 痛み止めや湿布で様子を見る(保存療法)
- それでも痛むならブロック注射
- 歩けなくなるほど悪化したら、手術で骨を削ったりボルトで固定する
これを歯医者に例えるなら、「虫歯になっても痛み止めで我慢して、ボロボロになってどうしようもなくなったら抜歯しましょう」と言われているのと同じです。なので、そうならないためのケアが非常に重要です。
「早めにケアして温存する」という選択
医学は日々進歩しています。虫歯を早めに見つけて削って詰めるように、椎間板も「変性の初期段階で修復し、温存する」という考え方が広まりつつあります。「まだ動けるからいいや」ではなく、「将来の手術を避けるために、今ケアする」。このような考え方もあることを多くの方に知っていただきたいと思います。
椎間板が変性する「4つの主な原因」
では、なぜ椎間板は劣化してしまうのでしょうか。主な原因は以下の4つです。心当たりはありませんか?
- 加齢:20歳前後から椎間板の老化が始まる。
- 過度な負荷:スポーツのやりすぎ、重労働などの物理的ストレス。
- 生活習慣:猫背、長時間のデスクワーク、スマートフォンの見過ぎ。
- 遺伝:生まれつき椎間板が弱い家系の方もおり、若くして損傷するケースがある。

今日からできる「予防」と「専門治療」
変性の進行を食い止め、健康な腰を守るためには、「自分で行う予防」と「専門的な治療」の両輪が必要です。
【自分でできる予防法】進行を遅らせる
まずは、これ以上負担をかけない体づくりが必須です。
- 体幹を鍛える:20歳前後から椎間板の老化が始まる。
- 柔軟性を高める:スポーツのやりすぎ、重労働などの物理的ストレス。
- 動作に気をつける:猫背、長時間のデスクワーク、スマートフォンの見過ぎ。

【専門的な解決策】根本から治す
セルフケアでは、筋肉は鍛えられても「すでにひび割れた椎間板」を元に戻すことはできません。そこで当院が行っている椎間板修復治療です。 手術のようにメスで切開することなく、椎間板を修復し、機能を改善させる治療法があります。「痛みをごまかす」のではなく「組織を修復する」という選択肢があることを知っておいてください。

【まとめ】「まだ大丈夫」な今こそ、専門医へ
腰痛は、体からのSOSです。「まだ大丈夫」と思っているその瞬間も、椎間板の寿命(=腰の寿命)は確実に削られています。
虫歯になってから「歯磨きをもっとしておけばよかった」と後悔しても遅いように、腰も動けなくなってからでは選択肢が限られてしまいます。違和感があるなら、手遅れになる前に一度、専門医に相談してみてください。早期発見と適切なケアが、あなたの10年後、20年後の自由な生活を守ります。

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この記事の著者
大阪本院 副院長石田 貴樹
2009年:高知大学卒業・医師免許取得、2012年:神戸市立医療センター西市民病院勤務、2013年:兵庫県立尼崎病院勤務、2014年:関西労災病院勤務、2019年:ILC国際腰痛クリニック勤務、2021年:野中腰痛クリニック勤務、2022年:2年間の研修を経て10月にライセンスを獲得、2023年:医療法人蒼優会理事就任・野中腰痛クリニック副院長就任