はじめに
あなたのぎっくり腰、もしかして繰り返していませんか?
ぎっくり腰は突然の激痛に襲われ、日常生活に大きな支障をきたします。一度経験すると再発の不安がつきまとうものですが、実際に野中腰痛クリニックが30~60代の男女を対象に行った調査では、約7割の方が複数回(2回以上)ぎっくり腰を経験していることが明らかになりました。
本記事では、当院が実施した調査データをもとに、ぎっくり腰の再発防止策、その原因について詳しく解説します。
目次
【調査結果①】ぎっくり腰は「冬」と「日常の動作」で発生
ぎっくり腰になった動作と時期
- 「重いものを持った」54.9%
- 「立ち上がろうとした」32.9%
- 「かがんだ」26.3%
- 「長時間同じ姿勢でいた後に動いた」21.3%
- 「寒い場所で急に動いた」17.6%
- 「くしゃみや咳をした」12.1%
- 「運動をした」8.6%


ぎっくり腰が最も発症しやすい季節は『冬(57.3%)』であり、約6割が冬に集中しています。寒さにより体が硬くなり血流が悪くなるため、腰への負担が増加する冬は特に警戒が必要です。
また、発症した状況として最も多かったのは『重いものを持った(54.9%)』時ですが、『立ち上がろうとした(32.9%)』や『かがんだ(26.3%)』など、日常の何気ない動作でも多くの方が発症しています。
ぎっくり腰になって不便だった動作
ぎっくり腰になった際に不便だと感じる動作のトップ3は、『座る‧立ち上がる(66.0%)』、『ベッドや布団から体を起こす(61.9%)』、『下にあるものを拾う(59.5%)』であり、特に上下方向の動作に大きな影響があることがわかっています。

【調査結果②】対処「安静」が最多だが、約4割は「特に何もしない」
ぎっくり腰後にした対処方法
- 「特に何もしなかった」39.2%
- 「医師や専門家に指導されたリハビリをした」22.7%
- 「整体やマッサージを受けた」19.8%
- 「ウォーキングなど軽い運動をした」15.1%
- 「腰回りを支える筋肉を鍛えるとレーニンングをした」12.2%
- 「SNSで見たストレッチをした」9.1%
- 「ヨガやピラティスをした」4.3%


痛みが続く期間については、7割以上の方が数日間続いたと回答しており、『3日~5日未満(26.8%)』が最も多い結果でした。
発症後の対処法として、半数以上が『すぐに安静にした(56.1%)』と回答していますが、病院やクリニックに行った方は37.7%にとどまっています。さらに、回復するまでのリハビリやストレッチに関しては、約4割が『特に何もしなかった(39.2%)』と回答しており、ぎっくり腰への対処は消極的な傾向が見られます。
再発防止のためにしていること、その効果
しかし、再発防止のために重いものを持ち上げる際の注意、定期的なストレッチ、正しい姿勢などを普段から意識している方々(約7割)は、その効果を実感しています。

【調査結果③】繰り返す痛みに隠されたリスクとは?
ぎっくり腰が繰り返し起こる理由と腰痛疾患の可能性
最も見過ごされている重要な事実として、約7割(67.6%)の方が「ぎっくり腰が繰り返し起こる場合、他の腰痛疾患の可能性があることを知らなかった」と回答しました。
繰り返しぎっくり腰を発症することは、単なる癖ではなく、深刻な問題(腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなど)がある可能性を示唆しています。この可能性を認識せずに放置してしまうと、症状が悪化するリスクがあります。

まとめ
当院からのメッセージ:再発するぎっくり腰こそ専門的な診察を
何度もぎっくり腰になる場合は、他の腰痛疾患の可能性を見過ごさないよう、医師の診察を受けることを強くお勧めします。
野中腰痛クリニックは、繰り返すぎっくり腰や、他の腰痛疾患(腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなど)の根本的な治療を提供しています。
当院では、外科的手術のリスクを懸念される方や、長期間の入院ができない方でも受けられる、身体への負担が少ない日帰り治療を専門としています。
局所麻酔と穿刺針(せんししん)のみを使用し、治療時間は15分〜25分程度で、翌日から日常生活が可能です。椎間板が潰れていたり狭くなっていたりする方、手術後に改善しなかった方も対象です。
繰り返すぎっくり腰の裏に隠された原因を特定し、根本から解決するために、一度専門医にご相談ください。
診療案内
当院では、メスを使わない日帰り腰痛治療を提供しています。
寝具や姿勢を改善しても腰痛が続く方は、一度ご相談ください。
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この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任