椎間板を修復するディスクシール治療(Discseel® Procedure)/ 日帰り腰痛治療

ディスクシール治療とは

ディスクシール治療 - Discseel® Procedure

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)は、2010年よりアメリカ合衆国テキサス州の脊椎外科専門医であるケビン・パウザ医師を中心としたチームによって研究され、臨床治療が開始された脊椎疾患に対する新しい治療です。2025年現在で約6,000症例以上の治療が行われており、その結果は多数の論文に執筆され、2003年には米国整形外科学会の論文選考でアワードを獲得しています。ディスクシール治療には、従来の外科的手術(椎間板切除、減圧術、固定術等)にはない3つの特徴があります。

  • 外科的手術や幹細胞移植では不可能であった椎間板の機能改善が可能
  • 局所麻酔と穿刺針(せんししん)のみで治療が完結するため日帰り治療が可能
  • 脊椎手術の改善がみられない、または症状の再発も治療が可能

ディスクシール治療の解説動画

ライセンス契約

ケビン・パウザ医師と野中康行院長・ディスクシール治療(Discseel® Procedure)証明書

野中康行院長は、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)の提唱者であるケビン・パウザ医師と臨床治療に関する知的財産権の提携を結び、共同研究を含めて2018年6月よりディスクシール治療の治療を行っています

研究・論文

ディスクシール治療に関する研究結果をまとめた論文です。

  • ディスクシール治療の有効性

    序論

    ディスクシール治療の有効性を確認するため、治療前と治療後3年間にわたり、治療を受けた患者を対象とした追跡調査が実施されました。この調査は、アメリカの第三者機関「Oberd」による再生医療カテゴリーで初の治療調査システムを導入して行われています。

    結論

    治療前後でODIスコア、VASスコア、QOLスコアのすべてにおいて大幅な改善が確認されました。特に治療後12ヵ月の追跡調査では、患者の50%がODIスコアで顕著な改善を示し、複数回の外科手術経験者に対しても有効性が認められています。また、治療に伴う感染症やその他の有害事象は確認されませんでした。

    詳細
    身体機能測定(ODIスコア)
    • 治療前の平均:40.9%(「重度の障害」に該当)
    • 半年後の平均:33.5%
    • 3年後の平均:23.1%(「中程度の障害」に改善)
    腰痛・足の痛み(VASスコア)
    • 治療前の平均:6.0点
    • 半年後の平均:4.2点
    • 3年後の平均:3.2点
    生活の質(EuroQOL)
    • 治療前の平均: 0.61点(「日常生活に支障あり」)
    • 半年後の平均: 0.65点
    • 3年後の平均: 0.76点(「支障はなくかなり良好な状態」に改善)

    QOL15%の改善は治療の有効性を示し、ディスクシール治療が慢性的な腰痛や手術後の患者に対して効果的であることを証明しています。全体を通じてディスクシール治療は、慢性的な腰痛や外科手術後の患者にとって重要な治療法であり、その有効性が信頼性の高い調査で実証されています。

    出典元

    Long-term Investigation of Annulargrams and Intra-annular Fibrin to Treat Chronic Discogenic Low Back Pain and Radiculopathy: 1-, 2-, and 3-Year Outcome Comparisons of Patients with and without Prior Surgery

対象となる疾患と症状

対象疾患

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 椎間板変性症
  • 腰椎すべり症
  • 分離すべり症
  • 分離症
  • 腰椎不安定症
  • 腰椎変性側弯症
  • 変形性腰椎症

このようなお悩みの方が対象

  • 腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニア・腰椎すべり症などの腰痛症状や痛みに悩まされている
  • 椎間板が潰れている、狭くなっている
  • 高齢のため外科的手術のリスクが高い
  • 脊椎固定術・人工椎間板置換術などの手術をしたくない
  • 外科的手術後に改善しなかった、または再発した
  • 腰痛の手術で入院したくない
  • 腰や足に痛みがあり歩くことが困難
  • ゴルフや野球などのスポーツをしたいが、腰痛が原因で思うようにできない

80歳以上のご高齢の方も治療が可能です

治療のメリット

椎間板の緩衝機能を改善

椎間板の緩衝機能を改善

腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニアなどの原因となる椎間板の機能を改善し、腰痛症状の緩和が期待できます。

負担が少ない日帰り治療

負担が少ない日帰り治療

局所麻酔と針のみで治療を行うため、治療時間は20~25分程度。治療後数時間の安静でご帰宅が可能です。

手術のリスクが高い方にも治療可能

手術のリスクが高い方にも治療可能

ご高齢の方、外科的手術のリスクが高い方も治療可能です。

従来の手術方法との比較

スクロールしてご確認ください

治療法
腰痛疾患
ディスクシール治療
(Discseel® Procedure)
MED
(内視鏡椎間板切除手術)
脊椎固定術
及び除圧手術
ヘル二コア
(椎間板内酵素注入療法)
再発率
(治療後2年以内)
極めて低い高い極めて高い低い
椎間板の
修復効果
有り無し無し無し
治療後の
椎間板への
ダメージ
なし有り有り有り
入院期間日帰り約7日間約21日間日帰り
通院の必要基本的に必要なし必ず必要必ず必要基本的に必要なし
保険適応×

治療の流れ

  1. 準備
    準備
    治療台の上にうつ伏せで寝ていただきます。
  2. 消毒
    消毒
    背中から治療を行うため、しっかりと消毒します。治療担当医や看護師などスタッフは滅菌のグローブとガウンを着用しています。
  3. 麻酔
    麻酔
    背中に数ミリの針で局所麻酔を行います。また、ご要望に合わせて鎮静剤を使った治療もご案内しております。
  4. Annulargram(アニュラグラム検査)
    Annulargram(アニュラグラム検査)
    Annulargram(アニュラグラム検査)は、MRIでも映らない椎間板の損傷の有無を判定することができます。
  5. 治療
    治療
    背中に0.8mmの針(穿刺針)を椎間板に挿入し、損傷した椎間板に特殊な薬液を投与します。
  6. 安静
    安静
    治療後は回復室で1時間程度安静にしていただきます。

X線透視装置で見る治療の様子

  1. 造影検査

    造影剤を椎間板に注入し、椎間板の損傷部分を明らかにします。

  2. 治療中

    造影剤で損傷があると確認した箇所に治療薬を入れます。

  3. 治療後

    薬剤を入れると短時間で固まり、線維輪の損傷部分を塞ぎます。

椎間板の状態

  1. 損傷した椎間板

    損傷した椎間板

  2. NST針にて椎間板(髄核)に治療薬を注入します。

    NST針にて椎間板(髄核)に治療薬を注入します。

  3. 椎間板(髄核)に治療薬が浸透します。

    椎間板(髄核)に治療薬が浸透します。

  4. 3~12ヵ月程かけて椎間板が修復されます。

    3~12ヵ月程かけて椎間板が修復されます。

ディスクシール治療解説

パウザ医師のインタビュー

治療時間

治療時間
20~25分程度

治療後は30分で歩行可能(個人差あり)となり、約60分後には帰宅可能となります。デスクワークや軽動作は翌日から可能ですが、スポーツや重労働は1ヵ月程度控える必要があります。

効果と副作用

効果

治療後3~12ヵ月で大きな効果が期待されます。時間がかかる理由としては、椎間板内に血管が存在しないので、椎間板修復の為に必要な成長因子が骨からゆっくりと浸潤する形で補われるためと考えられています。その他、スポーツをすることで再発するリスクが高まります。

副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。

治療後の生活ガイド

治療後、一般的な日常生活は翌日から復帰可能です。また、可能な限り歩行や運動を行っていただくことを推奨しております。しかし、一部控えていただく必要がある運動や日常の動作がございますので、以下の目安に沿って再開してください。

治療後の運動制限

治療当日から可能
  • ホットカイロの使用
  • 乗り物の利用(自動車・電車・飛行機など)
  • 乗り物の運転(自動車・バイク・自転車)
治療2日後から可能
  • 入浴
  • 温泉・サウナ
  • プール
治療1週間後から可能
  • 運動(リハビリ・ランニング・ジムトレーニングなど)
  • マッサージ
  • ブロック注射
治療2週間後から可能
  • ヨガ
  • 整体・整骨院・カイロプラクティック
  • 鍼治療
治療1ヵ月後から可能
  • 激しいスポーツ(ゴルフ・テニスなど)
  • 重い物を持つ作業

※ゴルフのラウンドは、30日以上経過してから身体の状態を見ながら少しずつ開始してください。また、過度な運動は再発のリスクを高める可能性がありますので、無理をせず慎重に行ってください。

治療費用

治療箇所(椎間板につき)1箇所2箇所3箇所4・5箇所
治療費用1,200,000円(税込:1,320,000円)1,300,000円(税込:1,430,000円)1,400,000円(税込:1,540,000円)1,500,000円(税込:1,650,000円)

お支払い方法

現金、各種クレジットカード、事前振込によるお支払いが可能です。

事前振込をご希望の方へ

初めてご来院される方

治療方法が決定していないため最大お費用が発生した場合を想定して、1,760,000円をお振込みいただいております。治療後、差額が発生した場合は治療後にご指定の銀行口座へ返金いたします。

画像相談ご依頼の方

診断の結果、治療費用を決定いたします。決定後にお伝えする治療費用をお振込みください。治療箇所が少なくなった場合などお振込み金額に差額が発生した場合は治療後、ご指定の銀行口座に差額分を返金いたします。

備考

大阪本院にて診察後治療を受けた場合、診察・MRI等の検査費用はすべて上記治療費用に含まれます。
本治療方法は健康保険が適用されないため、全額自費診療となります。
医療費の確定申告にて税金の還付を受ける事が出来ます。

よくある質問

治療方法について

  • Q
    腰椎椎間板ヘルニアの手術をしたのに改善しない症例に対してなぜディスクシール治療が適応なのですか?
    A

    腰椎椎間板ヘルニアの手術では、脱出したヘルニアを摘出しますが、損傷した椎間板はそのままです。その結果、損傷した椎間板から新たな髄核成分が漏出し、炎症が持続するためです。ディスクシール治療は椎間板の損傷自体を治療することで、髄核成分の漏出を抑えます。

  • Q
    薬液が神経に触れたりする問題はないのですか?
    A

    薬液は、刺激性や炎症性が無く、万一神経に触れたとしても影響はありません。約4,500以上の治療を行っていますが、神経障害が出現した報告はありません。

  • Q
    側弯症でもディスクシール治療は可能ですか?
    A

    軽い側弯であればディスクシール治療は可能ですが、強い側弯では治療が困難です。レントゲンとMRIによる診断にて治療の適応を判断いたします。

  • Q
    ディスクシール治療による治療箇所はどのように決定するのですか?
    A

    MRI検査で異常がない部位にも椎間板損傷がある可能性があるため、治療前に亀裂を確認し治療部位を決定します。椎間板損傷があると腰痛の原因となり、損傷部位から髄核成分が漏出し、炎症を引き起こすためです。よって、異常が疑われるすべての椎間板に造影検査を行い、損傷の有無を明らかにしたうえで治療箇所が決定されます。

  • Q
    当院の日帰り治療と外科的手術の再発率の違いについて
    A

    1960年代より始まった外科的手術は変形した骨やヘルニアなどの組織を切除し、時に固定する事を目的としていますが、スクリューによる新たな骨の損傷や根本的な治療を行っていないため、新たな腰痛の出現と再発率が問題でした。その為1980年代に根本的な治療を行う必要性が高まり、当院でも行っている椎間板治療が始まりました。そして、現在では幹細胞移植やディスクシール治療まで進化しております。特にディスクシール治療では椎間板の修復効果を認めており、症状の改善だけでなく再発率が低くなっています。

  • Q
    予防として治療を受けることはできますか?
    A

    MRI・レントゲンなどの結果から椎間板の変性が起こっていたり、症状は出ていないけれど将来腰痛が起こるリスクを事前に考え治療を行う事が可能です。当院では、治療を行う前の診断でディスクシール治療が適切かどうか判断しています。まずはご相談ください。

治療後について

日帰り腰痛治療法一覧

椎間板内の治療方法

当院の治療はすべて保険適応外の自由診療です

椎間板に損傷がある
タイプ


椎間板に損傷がなく
内圧が高いタイプ

椎間板外の治療方法

椎間板内治療後に症状が残存した方が対象です

再生療法


抗炎症療法

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