治療症例 / 院長ブログ

オランダから来院(30代男性)

患者様の情報

30代 男性(オランダ国籍)

疾患・症状

患者様の状態

患者様は10代の頃から体操競技をされており、腰椎分離症と診断されていましたが、20代後半から坐骨神経痛を繰り返すようになり、腰椎すべり症の合併を認めています。ヨーロッパで幹細胞治療を受けられるも改善がなく、北米のディスクシール治療のことを調べられ当院を受診されています。


検査

MRI

MRI

腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎および第1仙骨間の椎間板容量の低下を認めます。幹細胞治療をされたそうですが、繊維輪損傷が存在する場合には効果が半減する事がわかっています。


治療

繊維輪損傷を修復するディスクシール治療が最適であるとご説明しました。

Annulogram検査

Annulogram検査で繊維輪に損傷が存在するのかを確認しているところになります。損傷部分が黒く映し出されており、繊維輪の損傷が確定しました。

ディスクシール治療

繊維輪の損傷部分にディスクシール治療を行っているところになります。椎間板がわずかに持ち上がるのが確認できます。

治療前後のレントゲン

治療前後のレントゲン写真になります。左側が治療前、右側が治療後になります。


欧州の病院でもディスクシール治療は可能となっていますが、ライセンス費用の高騰もあり、治療費用が日本の2倍以上になっているようです。本日の患者様は家族旅行を兼ねて日本に来日されていました。


院長の一言

ディスクシール治療のライセンス費用って?

現状、ディスクシール治療に関するライセンス費用の値上げを打診されています。現時点で年間2億円以上も支払っているんですけど……。北米では治療費用が1回で2万ドルなので根本的に医療に対する考え方が違うんやろか。

大阪万博

さて、昨日は大阪万博に行ってきたんですけど、ほんまに人が多くて大変でした。人気の高いパビリオンでは、待ち時間が4~5時間ってのがザラで、炎天下(34度)のなか多くの人々が日陰を求めてさまよっている状況ですわ。

MRI
MRI

万博会場はめっちゃ広いんですけど、さすがに20万人以上が集まると狭いねん。パビリオンで感動するとは保証できまへんが、精神力が鍛えられることは保証します。もう一回行ってみたいとは思ってるんで、人が減る夕方に行こかと思ってます。


今回の治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


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この記事の著者

医療法人蒼優会 理事長・野中腰痛クリニック 大阪本院 院長:野中康行

大阪本院 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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