患者様の情報
30代 男性
疾患・症状
患者様の状態
患者様は慢性腰痛に悩まれている30代男性です。登山やトライアスロンなど、かなりアクティブに活動されている方です。今年3月に他のクリニックで椎間板治療を試まれましたが、L5/Sに穿刺用の管が挿入できずに治療失敗となったため、ご友人の紹介で当院を受診されています。
検査
腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎および第1仙骨間の椎間板容量が50%以上低下しています。この様に椎間板容量が低下していると、前屈動作が困難になってくることも予測されます。

治療
椎間板容量が50%以下になっていることから、ディスクシール治療が適応になる可能性が高いとご説明しました。
Annulogram検査
椎間板の損傷部分を検査で明らかにしていきます。黒く映っている部分が損傷部分になり、椎間板内の圧力も低下している事が明らかです。この時点で、PLDD(レーザー治療)やディスコゲル治療(セルゲル法)は禁忌であり、ディスクシール治療が適応であると判断しました。
ディスクシール治療

治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療後になります。他院で治療困難であった部位(第5腰椎と第1仙骨間の椎間板)は、医療材料の材質と形状を変化させることで容易に治療する事が出来ました。
院長の一言
私は腰痛治療歴16年以上、治療件数もまもなく1万件(独立開院前含む)に達します。ここ7年くらいは治療を中断した記憶はないです。自慢になりますが、それだけ自信があるという事です。難しい症例はたくさんありましたが、技術的にもマテリアル的に工夫を重ねて乗り越えてきました。自分の技術に自信がついたのは腰痛治療を始めて10年経過した頃からです。それまでには大変なこともありました。
さて、昨日は私も甲子園まで行っておりました。阪神タイガースは、8回裏に奇跡のリプレイ検証の末に決勝点をもぎ取り、読売ジャイアンツに勝利しております。4連勝!よきかな。今日もお願いします!!



今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。

椎間板変性症

椎間板変性症とは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの様々な病気につながる恐れがあります。
この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任