治療症例 / 院長ブログ

治療後1年経って腰痛だけ残っている?

患者様の情報

70代 女性

疾患・症状

状態

2024年8月に脊柱管狭窄症に対して、DRT(椎間板再生治療)を行った方です。九州地方で料理店を経営されておられ、郷土料理を作られているそうです。


VAS Score(疼痛スケール)

2024年8月2025年6月
腰の痛み7点
(常時)
5点
(仕事中のみ)
下肢の痛み7点0点
しびれ0点0点
臀部の痛み7点0点

(患者様に痛みを10段階で評価してもらい、0点は痛みがない状態を意味します)


検査結果

治療前

MRI写真(治療前)

治療前のMRI(2024年8月)です。特にL2/3の椎間板が炎症を起こしており、心霊写真のようにぼやけて見えます。そのほか脊柱管狭窄症もあります。

治療後

MRI写真(治療後)

本日のMRI(2024年6月)です。L2/3の椎間板の炎症が改善しており、明瞭に見えるようになっています。脊柱管狭窄症の部分改善も見られます。

レントゲン写真

レントゲン写真です。腰を後ろから見ていますが、腰椎が左側に側弯しています。


診察結果

DRT後2ヵ月ほどで症状が改善したため、調理場に立つようになったそうです。しかし、2時間を超えて仕事をすると左腰に鈍痛が出現するとのことでした。椎間板治療部位は全く問題がないことをご説明しました。鈍痛の原因は、77歳とご高齢で筋力低下があること、レントゲン写真でも左側に腰椎が曲がっていることから、腰椎の変形による機能的炎症が原因であると判断しました。調理場に立たれる時には、腰椎ベルトを使用していただくようにお願いしました。追加の椎間板治療の必要性はないとご説明したところ、少し残念そうにされていたのが印象的でした。


院長の本音

自分が77歳だったら……田舎生活をしながら、スキーとゴルフをほどほどに、できるだけ長く楽しむことが理想ですが、その野望を叶えるためには人材育成が必須です。海外で標準化されている腰痛治療ができる医師の育成は進めているのですが、医師の適性が合致しないと質の高い腰痛治療は提供できないです。

例えば、腰痛治療院は都内でも複数あり、他院で治療できなかった症例を診察することも多いのですが、適応外治療や技術不足でL5/S部分に穿刺針を入れられない症例が多いことにがっくりします。「これはやばい」という症例も多いです。とりあえず、77歳までに腰痛治療を託せる人材の育成を頑張らないといかんです!

ヘルメット子ちゃん:がんばる

さて、昨日、われらの阪神タイガースは、ファイターズに2勝1敗と勝ち越すとともに、佐藤輝明選手の100号ホームランも飛び出しめでたい1日となっております。最高です。

ヘルメット子ちゃん:100号

この記事の著者

医療法人蒼優会 理事長・野中腰痛クリニック 大阪本院 院長:野中康行

大阪本院 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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