患者様の情報
10代 男性(イラン国籍)
疾患・症状
患者様の状態
患者様はレスリングをされており、オリンピック強化選手の方です。激しいトレーニングのために腰痛発作を繰り返しておられ、母国の病院を受診したところ、アメリカのディスクシール治療が有効だと教わったそうです。しかし、政治的な理由もあり、渡米は困難である事から、主治医の紹介状をもって家族と共に来日されています。

検査
MRI

腰のMRI検査です。3箇所の椎間板が損傷しており、椎間板容量も50%以下になっています。また筋量が潤沢であり、体幹筋力が極めて優れていることが示唆されます。
治療
体幹筋力が優れていても感じる痛みは同じであり、年齢が若く、治療に対する不安も強くなるため鎮痛薬と鎮静剤を使用しております。

Annulogram検査
椎間板の損傷の有無を確認する為のAnnulogram検査を行っています。予想通り損傷部分が確認されました。

ディスクシール治療
ディスクシール治療を行っているところです。
治療前後のレントゲン

治療前後のレントゲン写真になります。左側が治療前、右側が治療後です。
まとめ

アスリート選手は若年であっても腰を痛める事が多いので、ディスクシール治療を受けられている方が多くおられます。特ににアメリカではNFL選手などが頻繁に治療を受けられておりますが、治療後に腰痛が改善しても、人外の負荷をかけ続ける為に数年で腰痛が再発してしまうので、その度にディスクシール治療を受けられています。なお、引退後はディスクシール治療の必要性がなくなるようです。
院長の一言
たくらみ
冬に向けてスキー用品を用意する時期になってきました。長男は体格もしっかりしてきたんで新しいスキー板を用意せなあかんので、僕が昨シーズン購入したばかりのVolklの板を譲るように計らうつもりです。そして、僕自身には新たにDYNASTARのSPEEDシリーズを購入しようと企んどります。当然、長男に渡した板も僕がこっそり使うつもりです。家族はこのブログを見ていないので、この企みはおそらく成功するはずです。またご報告いたします。

今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状

椎間板変性症

椎間板変性症とは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などの様々な病気につながる恐れがあります。
この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任