ご報告

10月16日(水)に私(野中)と石田副院長および田中医師は、インドネシアの首都であるジャカルタで開催された医療展覧会に参加してまいりました。また、翌17日(木)は現地の病院見学を行い、18日(金)は当院で治療を行ったインドネシア人患者様の治療後診察と医療相談を行っております。

目的

まず、我々がインドネシアまで出張した理由は、当院で治療を受けられるインドネシアの患者様が増えており、インドネシアの医療水準を知りたいと考えたからです。


医療展覧会

医療展覧会①
医療展覧会②
医療展覧会③
医療展覧会④
医療展覧会⑤
医療展覧会⑥
医療展覧会⑦

展覧会の参加メーカー

非常に多数のメーカーが医療機器の展示を行っており驚きました。一流の欧米メーカーからアジア全域のメーカー参加しており、活況を呈しておりました。日本のメーカーも参加していましたが、中華系メーカーが多数参加していたことが印象的でした。

医療展覧会⑧
医療展覧会⑨

展示されている医療機器の水準は?

医療機器の種類は非常に多いのですが、水準はそれほど高くないように見受けられました。高い水準の医療機器は、コストが高くなることが原因かもしれません。低コストで一定以上の水準を満たした医療機器が目立ちました。日本であれば10年ほど前の医療機器になります。


医療機器の水準がなぜ低いのか?

インドネシアは人口が2億7000万人と多く、人口規模は世界4位であり、平均年収は日本の10分の1程度です。医療制度は日本と似ていて、国が担保しており、4人家族で月に1万円程度の保険料を支払うことで医療を受けられるようになっています。つまり、インドネシア政府が捻出できる医療費は先進国と比較すると少なくならざるえません。医療費の上限に合わせて提供できる医療水準も変動する為に、1または2世代前の医療機器を使用しなくてはならない状況だと理解できます。


考察

国力に応じて医療水準は変動するという事が理解できました。ただし、1または2世代前の医療機器であっても、医療を提供できることには変わりません。全国民に対して一定水準以上の医療を提供するという意味では、インドネシアはコストパフォーマンスが高い医療制度を敷いていると思いました。同時にコストを競う事に関しては、中華系医療メーカーが強い立場にいるようで、展覧会でも中華系メーカーの出店が目立っていました。


まとめ

インドネシアでは貧富の格差が広がっているため、裕福層の方が病気になると、国内で治療を受けずに北米や欧州、またはシンガポールや韓国にまで最先端の治療を受けに行かれることが一般的だそうです。我々のクリニックで行っている腰痛治療法の一つにディスクシール治療がありますが、これは北米で行われている治療法でありますが、北米に行くよりも日本の方が近く、コスト的にも安価である事から訪日されるインドネシアの方が増えていると思われます。


院長の一言

インドネシアの首都ジャカルタでは交通渋滞が多発しており、あえて信号機が設置されていないそうです。交通整理をする一般人の方がおられて、チップが貰えるそうです。ものすごい人の数と高気温(34℃)で熱気にあふれた都市でした。

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任