腰痛の症状に対して効果的な痛み止めなどの市販薬について説明しています。
腰痛の症状がひどい場合に、ロキソニンなどの痛み止めや温湿布を使用するべきかについてまとめています。

問診を受ける人

目次

腰痛の症状に効果的な痛み止めの種類とは

当院では、腰痛を病院で治療した経験がある30代~60代の男女の方を対象に「腰痛治療」に関する調査を実施しました。下の表にあるように、「どのような治療を行いましたか?」との質問に対して、63.5%の方が、「内服薬・外用薬」と回答しています。まずはお薬を試すという方が多くおられることが分かります。腰痛や椎間板ヘルニアの症状が出た場合の、痛み止めの種類についてまとめています。

腰痛のアンケート結果
  • 飲み薬……痛みが強く、服用後すぐに効果が期待できます。塗薬や湿布などは肌が荒れてしまうという方にもお勧めです。外出している場合もすぐに服用できることもメリットです。
  • 湿布……飲み薬では胃が荒れてしまうなど体質に合わない方にもお勧めです。患部に貼ることで痛みの緩和が期待できます。冷えを感じる場合は温湿布で温めてあげることも効果的です。
  • 塗薬……湿布ではかぶれやすいという方にお勧めです。湿布では貼りにくい場所にも塗ることができますし、塗る範囲もご自身で選べることがメリットになります。

腰痛に対して効果的な痛み止めや湿布とは

薬の種類はたくさんありますが、症状に適したものを選ばなければ効果は半減してしまいます。症状別にお勧めの痛み止めをまとめています。

  • 少しでも早く今の痛みを和らげたい場合……「ロキソニンS」がお勧めです。効果が表れるのが早いので痛みをすぐに抑えることができます。内服薬ですので、外出先でも服用することができます。
内服薬ん写真
  • 腰に熱があり、腫れているような症状の場合……「ロキエフェクトLXテープα」がお勧めです。ロキソプロフェンといった炎症を抑える成分が配合されています。痛みがある患部に1日1回貼ってください。
腰に湿布を貼っている写真
  • 腰の筋肉が硬く、凝り固まっている症状の場合……「メンソレータムラブ」がお勧めです。塗り薬ですので痛い場所へ直接アプローチすることができます。血液循環が改善することにより筋肉が柔らかくなります。
塗薬の写真
  • 急性腰痛<ぎっくり腰>の症状の場合……「ツムラ漢方芍薬甘草湯エキス顆粒」がお勧めです。漢方薬です。血液循環を改善させ痛みを和らげる効果があります。
粉薬の写真
  • 腰痛よりもしびれが気になる症状の場合……「タリージェ」「リリカ」がお勧めです。神経からくる痛みやしびれを抑える効果があります。腰椎椎間板ヘルニアなどからくるお尻から足にかけてのしびれがある方に処方されることが多いです。
錠剤の写真

薬を服用するときの注意点

錠剤の写真
  • 飲み合わせ……薬の種類によっては、一緒に服用している薬に影響を与えてしまうことがあります。 薬の効果を弱くしたり、強くしたり体に悪影響になる可能性があります。自己判断せずに、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
  • 副作用……薬の種類によっては胃を荒らしてしまうことがあります。胃が元々弱い方などは、あらかじめ医師や薬剤師に相談することが重要です。
  • 容量を守る……薬を飲み忘れた場合に前回分の薬も服用したり、痛みが強いからといって規定量以上の薬を服用することはいけません。多く服用してもより効果が出ることはありませんし、かえって体に負担を掛けてしまうことになります。

痛み止めや薬の使っても効果が無いときは?

痛み止めを服用しても効果が無い場合があります。それは、椎間板自体に傷がある場合です。お薬を飲んでも椎間板自体が良くなることはありませんので、効果が無い場合は腰椎の専門医にご相談ください。専門的な治療が必要になる場合があります。当院で行っている椎間板治療はこちらです。

【まとめ】腰痛と痛み止めについて

薬局でお薬をもらう人

腰痛やヘルニアの症状には、ロキソニンなどの痛み止めは効果的です。ただ服用を続けても効果が無い場合などは専門医の診察を受ける必要があります。痛み止めでは、腰痛や椎間板ヘルニアの根本解決にはなりませんのでご注意ください。

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。