若いから椎間板ヘルニアにはならないと思っている方はいませんか?10代や20代の若い方も患う可能性がある疾患です。男女比の割合は、2~3:1と男性に多い疾患ですが、女性でも発症する方もおられます。若い人こそ知っておくべき椎間板ヘルニアの原因や特徴についてまとめています。


目次

若い人の椎間板ヘルニアの原因

腰を痛がる若い男性
  • 激しいスポーツ……若いときから、激しい衝撃が加わると椎間板は傷みやすくなります。ラグビーなど衝撃が直接体に加わる種目や、テニスやゴルフなど腰を急激に捻る種目にも注意が必要です。
  • 肥満や運動不足……肥満により椎間板の負担が増えてしまうことがあります。また、運動不足により腰回りの筋肉が落ちてしまった結果腰を支えられず、椎間板を傷めてしまいます。若い女性は筋力が弱い方が多いので、より注意が必要です。
  • 姿勢や動作……中腰姿勢は椎間板に負担を掛ける姿勢です。重たいものを持つことや、長時間の運転なども同様です。若いからといって、無理は禁物です。
  • 遺伝や体質……人によっては元々、椎間板(腰のクッション)が痛みやすいこともあります。10代などお若い時から椎間板ヘルニアになってしまっている場合は、体質などの影響も考えられます。
  • 加齢……10代後半から椎間板の老化は始まります。若いうちから少しずつクッションの機能が無くなり、少しのストレスでも椎間板ヘルニアの原因となってしまいます。

若い人の椎間板ヘルニアの症状・その後

姿勢が悪い女性
  • 腰が強く痛む
  • お尻や足にしびれを感じる
  • 椎間板ヘルニアになると上記の症状がみられます。中腰姿勢になると、より症状がひどくなります。

  • 3か月以内に痛みが減るかどうか
  • 椎間板ヘルニアの症状が出たその後は、3か月以内を目途に飛び出たヘルニアが吸収されることがあります。3か月以上経っても痛みが変わらない・増える場合はヘルニアが残っていると考えます。その場合は手術など治療が必要となります。若い人のヘルニアの場合は、吸収されることが多いです。


若い人の椎間板ヘルニアの治療

体操を行う若い男性
  • 薬や注射
  • リハビリ
  • 手術
  • 若い方が椎間板ヘルニアの症状が出た場合、すぐに手術とはなりにくいです。まずは、お薬やブロック注射、リハビリなどで様子をみることが多いです。それでもしばらく症状が出る場合や日常生活に支障をきたす場合は、骨や椎間板を削り椎間板の負担を軽減する手術を行います。


【まとめ】若い人の椎間板ヘルニアの特徴

椎間板ヘルニアは若い人でも患う可能性があります。20歳から40歳の方に多いですが、10代後半の方でも多くみられます。若いうちから腰の痛みや足のしびれが出る場合は、早めの診察を受けられることをお勧めいたします。

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。