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なぜ朝に腰が痛くなる?

椎間板とは腰骨の間にあるクッションのことです。クッションの中には線維輪といった組織と中央にある髄核といったものがあります。これらの組織は、水分でほとんどを占めています。寝ている状態では髄核に圧力が掛かっておらず、髄核は水分を吸収して膨らんだ状態になります。朝、起き上がった際の圧力により膨らんだ髄核に対し、よりストレスが掛かり椎間板ヘルニアの症状が出やすくなり、激痛も発生しやすくなります。


朝に腰が痛くなる原因とは

椎間板の中にある髄核という組織にストレスが掛かることにより、椎間板ヘルニアの症状が出やすくなるとご説明しました。その圧力を増やしてしまう原因について解説いたします。

寝具が合わない場合

寝具が合っていない可能性があります。よくあるのが、マットレスが柔らかすぎることです。柔らかすぎるマットレスは、寝返りが打ち辛くなります。寝返りが打てないと、長時間同じ姿勢を取り続けることになります。長時間の同じ姿勢は、椎間板へのストレスとなります。

筋肉や関節が硬い場合

筋肉や関節が硬い場合も、椎間板へのストレスが増える原因となります。筋肉や関節が硬くなってしまうと、血液循環も悪くなります。血液循環が悪くなると、痛みを感じやすくなりますし症状の回復も遅くなってしまいます。また、良い姿勢を保てなくなるので、椎間板ヘルニアが悪化する原因にもなります。


朝に腰が痛くなったらどうすれば良いか

朝に腰が痛くなった際の解決策はいくつかありますが、今回は大きく2つに分けてご説明します。

硬めのマットレスに変更する

人は良い姿勢だとしても、その姿勢を長時間キープすることは良くないと言われています。 小まめに姿勢を変えることが必要です。起きている間は意識して姿勢を変えることが出来ると思いますが、寝ている間は意識出来ません。ですので、自然に寝返りが打てる環境を作ることが必要です。少し硬めのマットレスがお勧めとなります。柔らかすぎるものは、体が沈んでしまい寝返りが打ち辛くなります。マットレスは合う合わないがはっきりと分かれます。実際にマットレスの上で寝返りを打ってみて、寝返りが行いやすいかをご確認ください。

ストレッチを行う

痛みやしびれに対して、血液循環は大きなポイントとなります。ストレッチや筋力トレーニングを行うことは有効です。椎間板ヘルニアに対するストレッチを行ってみて、少しでも症状の改善があるならば継続して行ってください。どのようなストレッチが良いのかは、主治医の先生にご相談ください。まずはストレッチを試してみたい方は、次項でご紹介するストレッチを一度お試しください。痛みが無い範囲で行うことが重要です。


起床時に辛い、椎間板ヘルニアに効くストレッチとは

  1. 片足を曲げて、太ももの裏を両手で掴み仰向けに寝転びます
  2. 膝を伸ばします
  3. 太ももの裏にツッパリを感じたら3秒間維持します
  4. 膝を曲げて、元に戻します
  5. この動きを左右それぞれ15回行います
  6. 1セット15、1日2セットずつ行います

ポイント

  • 気持ち良い範囲で行ってください

入院をせずに椎間板ヘルニアの治療を行う方法

椎間板ヘルニアの治療となると、外科手術を思い浮かべる方が多いと思います。外科手術は、椎間板ヘルニアの根本治療となる素晴らしい治療法です。ただ、入院が必要・全身麻酔を行う・メスで切開を行うなどお体への負担も少なくありません。椎間板ヘルニアの治療を行いたいが、外科手術は怖いと仰る患者様は多くおられます。当院では、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)といった椎間板治療を行っています。椎間板の傷口をお薬で修復することにより、椎間板ヘルニアに対しての根本治療となります。入院は不要・局所麻酔で治療可能・メスは使わないなどお体への負担は少なく済みます。椎間板ヘルニアの治療方法について、お悩みの方は是非一度ご検討ください。


朝起きる時に腰が痛い!!朝に椎間板ヘルニアの症状が出るメカニズムを腰痛専門医師が解説!のまとめ

「朝起きると腰が痛い」「椎間板ヘルニアの症状が朝に出やすい」など仰る方はたくさんおられます。椎間板といったクッションの中にある髄核といった組織に対して、ストレスが掛かることが朝に痛みを感じやすい原因です。寝具を変える・ストレッチを行うなどの対処方法をぜひお試しください。それでも症状が改善しない場合は、一度専門医の先生の診察を受けられることをお勧めいたします。


参照先

椎間板性腰痛の基礎 特別企画腰痛の病態解明 高橋 弦, 大鳥 精司, 青木 保親, 高橋 和久 日本腰痛学会雑誌 2007年13巻1号p.10-16

引用リンク

椎間板性腰痛の基礎

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。