椎間板ヘルニアを正しく診断するためには、レントゲン検査では無くMRI検査が必要となります。正しい検査ができなければ、正しい治療を行うことも出来ません。動画では椎間板ヘルニアに効果的なストレッチ方法をご紹介しております。


目次

椎間板ヘルニアはレントゲンでわかる?わからない?

椎間板ヘルニアは椎間板という組織に傷が入り中の髄核が神経を圧迫することで腰痛・足の痛み等を引き起こす病気です。椎間板ヘルニアかどうかを診断するには、レントゲンでは分かりません。椎間板は軟骨ですので、レントゲンには映らないからです。整形外科においてレントゲン検査を行う目的は、骨折や関節炎など筋肉や骨格系などの異常を疑う場合に使用することが多いです。


椎間板ヘルニアに必要な検査方法は?

「椎間板ヘルニアかな?と思って診察を受けたけど、レントゲンで異常なしと言われた」と仰る患者様は多くおられます。「異常なしと言われたから、自分は椎間板ヘルニアではない」と決めつけるのは危険です。 椎間板ヘルニアの診断に必要な検査は、MRIです。レントゲンでは椎間板ヘルニアの正確な診断は出来ません。レントゲン検査しか行っていない方は、先生とご相談の上でMRI検査を行っていただく必要があります。


椎間板ヘルニアの治療方法とは

椎間板ヘルニアの治療方法には、「保存療法」と「外科手術」の2種類に分けることが出来ます。

保存療法

保存療法とは、お薬や注射やリハビリテーションなど手術以外の治療方法を言います。メリットとしては、お体への負担が少ないことです。ご高齢の方でも、始めやすいことが特徴です。一方デメリットとしては、椎間板自体の治療では無いので、根本治療とはなり得ないことです。椎間板ヘルニアを根本から治すものではなく、対処療法となります。

外科手術

まずは保存療法を始めて効果が出なければ、外科手術が適応となります。外科手術は、椎間板を削るものや、椎間板を摘出することにより神経への圧迫を軽減する効果があります。メリットは椎間板ヘルニアの根本治療となることです。デメリットはお体の負担が大きいところです。全身麻酔の中、切開を行い、入院も必要となります。どなたでも気軽に行える治療ではありませんので、主治医の先生とよく話し合って治療方針を決めてください。


椎間板ヘルニアに効果的なストレッチ

  1. 右足首を左ひざの上あたりに乗せます
  2. 体を少し前に傾けます
  3. 右のお尻に筋肉のツッパリを感じたら、その状態を30秒維持します
  4. 左右同様に行います
  5. 30秒維持を1回として、1日に3セットずつ行います

ポイント

  • ストレッチ中は息を止めないように意識します

椎間板ヘルニアの根本治療をお探しの患者様へ

椎間板ヘルニアの根本治療は外科手術ですが、全身麻酔や切開が必要などお体への負担は大きくなります。ご高齢の方などで、治療を行いたくても行えない方もおられます。当院では、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)といった「椎間板治療」を行っています。椎間板ヘルニアとは椎間板に傷がつき、中にある組織が外に飛び出してしまい炎症が起きることです。DST治療では、椎間板の傷をお薬で塞ぎ炎症を抑えるといった、椎間板ヘルニアの根本改善を目指します。局所麻酔で行える日帰り治療ですので、お体への負担も少なく済みます。「椎間板ヘルニアを根本から治療したい」とご希望の方は是非一度ご検討ください。


椎間板ヘルニアはレントゲンでは分からない!?診断に必要なことや治療方法について解説!のまとめ

レントゲン検査だけでは、椎間板ヘルニアの正確な診断は出来ません。椎間板は軟骨ですので、レントゲンには映りません。正しく椎間板ヘルニアを診断するためには、MRI検査が必要となります。レントゲン検査しか行っていない方は、専門医の先生にご相談の上、MRI検査をしていただくことをお勧めいたします。また、椎間板ヘルニアの治療方法として、保存療法と外科手術が考えられます。どの治療方法にもメリットデメリットが存在します。ご自身に合った治療方法が知りたいとご希望の方は、是非一度当院までお問合せください。


参照先

腰椎椎間板ヘルニアにおける各種画像診断の比較検討 中尾 俊憲, 渡辺 英夫, 斉鹿 稔, 川口 宗義, 浅見 豊子, 西川 英夫, 篠田 侃 整形外科と災害外科 1989年38巻1号p.80-84

引用リンク

腰椎椎間板ヘルニアにおける各種画像診断の比較検討

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。