椎間板ヘルニアの再発原因は、椎間板内部の髄核が漏れ出ることで起き続けている炎症です。椎間板ヘルニアが再発する前兆として、手術後も痛みが継続していたり、新たな症状が発症した場合が考えられます。また、椎間板ヘルニアが繰り返し発症する場合は、椎間板が損傷している場合が考えられますので、専門の医師の診察を受けてください。
目次
腰椎椎間板ヘルニアの原因とは
腰骨(腰椎)の間にクッション(椎間板)があります。クッションの中には、中央にゼラチン状の髄核、周りにはコラーゲン繊維が豊富な線維輪という組織があります。腰椎椎間板ヘルニアとは、その線維輪に傷<亀裂>が出来てしまい髄核が外に飛び出すことで、痛みや痺れなどの症状が現れる病気です。- 加齢
- 遺伝
- 正しくない姿勢(前かがみ姿勢、長時間の同じ姿勢など)
- 負担の掛かる動作(重いものを持ち上げる、腰を捻るなど)
- 体重増加
- 生活習慣(喫煙など)
上記のようなことが理由として考えられます。1つのことが原因というより、様々なことが重なり椎間板ヘルニアとなることが多いです。加齢や遺伝といったご自身ではコントロール出来ないこともありますが、姿勢や動作、生活習慣などご自身でコントロール出来ることもあります。物の持ち方や座り方など細かいことですが、毎日行うことなので正しい知識を身に着けることが重要です。
椎間板ヘルニアは再発するか
椎間板ヘルニアは再発する場合と再発しない場合があります。違いについて解説します。
椎間板ヘルニアが再発する原因とは
前述した通り、椎間板というクッションの中に髄核と線維輪という組織があります。クッションに傷がつくことにより、傷口から髄核が飛び出します。飛び出した髄核が炎症を起こし、神経にも炎症が起き、痛みやしびれが発生します。
- 再発するヘルニア……髄核が漏れ続け、炎症が起き続けている場合
- 再発しないヘルニア……髄核の漏れが止まり、飛び出たヘルニアが体に吸収された場合
再発するヘルニアとしないヘルニアの特徴は上記となります。髄核の漏れが無い場合のヘルニアは、3か月ほどで体の機能により吸収され、症状も治まるといわれています。
椎間板ヘルニアが再発する時の前兆とは
椎間板ヘルニアの手術を行っても、痛みが持続していたり、新たな症状が発症する場合は椎間板の再発が疑われます。線維輪の傷が修復しておらず、髄核が漏れ続けている状態です。手術直後は痛みが消えていたのに、時間が経ってから特定の姿勢や動きにおいて腰や足の違和感が出てこれば、ヘルニアの再発の前兆です。放置せずに専門の医師の診察を受けてください。
椎間板ヘルニアは繰り返し発症するか
椎間板ヘルニアは繰り返し発症するリスクがある病気です。クッションである椎間板自体の傷が塞がらず、髄核が漏れ続けていればヘルニアは繰り返し発症します。下記のような流れが起き、この循環が続くことで、ヘルニアの症状も繰り返されます。
椎間板に傷があり、髄核が漏れる⇒飛び出た髄核により炎症が起き、症状が出る⇒体の機能によりヘルニアが吸収される⇒症状が緩和する⇒<椎間板の傷は治っていないので>椎間板に傷があり、髄核が漏れる…… この繰り返しになります。
椎間板ヘルニアが繰り返し発症する理由
椎間板が繰り返し発症する理由は、椎間板に傷があるためです。ヘルニアが飛び出ている箇所を外科手術により、取り除いたとしても、椎間板に傷がある限り再び髄核は漏れ続けます。ヘルニアの根本原因である、椎間板の傷自体を修復し塞がなければヘルニアは繰り返されます。
腰椎椎間板ヘルニアに効果的な体操とは
椎間板ヘルニアを予防するには、体幹トレーニングが重要です。体幹を安定させることにより、椎間板への負担を軽減することが期待できます。
体幹トレーニング
- 四つ這い姿勢(肩の真下に手首・股関節の真下に膝)をとります
- 片手を前に伸ばし、反対の足を上げます(膝はベッドに着けたまま)
- 3秒キープして手足を下ろし、反対の手足も同様に行います
- この運動を左右10回ずつとして、3セットを目安に行います
ポイント
- 手足を上げる時に体がブレないように、真っすぐを意識します。
腰椎椎間板ヘルニアが再発してしまい、2回目の外科手術を検討している方へ
前述した通り、椎間板の傷がある限り髄核は漏れ続け、ヘルニアは繰り返されます。腰椎椎間板ヘルニアの根本治療とは、飛び出てしまったヘルニアを治療するのでは無く、椎間板の傷を治すことです。
- 全身麻酔の必要なし
- 入院の必要なし
- 体にメスを入れない
上記は当院で行っている、ディスクシール治療(Discseel® Procedure)の特徴となります。腰椎椎間板ヘルニアに対しての、日帰りで行える椎間板治療となります。お体の負担は少なくご高齢の方にも治療を受けていただくことが可能です。
椎間板ヘルニアは再発する!?ヘルニアの再発する前兆や原因について専門医師が徹底解説!のまとめ
腰骨(腰椎)の間にクッション(椎間板)があります。クッションの中には、中央にゼラチン状の髄核、周りにはコラーゲン繊維が豊富な線維輪という組織があります。腰椎椎間板ヘルニアとは、その線維輪に傷(亀裂)が出来てしまい髄核が外に飛び出すことで、痛みや痺れなどの症状が現れる病気です。椎間板ヘルニアの原因は、下記のようなことが考えられます。
- 加齢
- 遺伝
- 正しくない姿勢(前かがみ姿勢、長時間の同じ姿勢など)
- 負担の掛かる動作(重いものを持ち上げる、腰を捻るなど)
- 体重増加
- 生活習慣(喫煙など)
椎間板の傷口が治らなければ、ヘルニアは再発します。
椎間板に傷があり、髄核が漏れる⇒飛び出た髄核により炎症が起き、症状が出る⇒体の機能によりヘルニアが吸収される⇒症状が緩和する⇒<椎間板の傷は治っていないので>椎間板に傷があり、髄核が漏れる……
このようなメカニズムが繰り返され、ヘルニアは再発し続けます。外科手術を受けてしばらくは調子が良かったが、時間が経つと特定の姿勢や動きにおいて違和感が出てこれば、ヘルニアの再発の前兆です。再発を防ぐためには、椎間板の傷口を修復する治療が適応となります。腰椎看板ヘルニアの再発について、お悩みの方は1度当院までお問い合わせいただければと思います。
参照先
椎間板ヘルニアの痛みの発現における自己免疫反応 村井 邦彦, 酒井 大輔, 中村 嘉彦, 中井 知子, 鈴木 英雄, 五十嵐 孝, 竹内 護, 村上 孝, 持田 讓治 日本ペインクリニック学会誌 2012年 19巻1号p.1-8
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この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。