脊柱管狭窄症にマッサージは効果あり？悪化させる？正しいマッサージと悪化させるマッサージを徹底解説

脊柱管狭窄症にマッサージは有効？

脊柱管狭窄症にマッサージは有効です。脊柱管狭窄症とは、骨のトンネル(脊柱管)が狭くなる(狭窄症)ことにより症状が出現します。腰を反るような姿勢が、脊柱管を狭くしてしまいます。そのことを理解し、マッサージなどの体のケアを行わなければ、効果が無いどころか症状を悪化させる可能性があります。

脊柱管狭窄症に効果のあるマッサージの特徴

前述した通り、腰を反ると脊柱管狭窄症の症状が悪化しやすくなります。腰を反らせる筋肉が硬くなると、筋肉が引っ張り、反り腰姿勢になります。改善させるためには、腰を反らせてしまう筋肉を柔らかくする必要があります。ポイントとなるのは、お腹の筋肉です。お腹側の筋肉を柔らかくすることにより、反り腰姿勢が緩和し、脊柱管狭窄症の改善が期待できます。

脊柱管狭窄症に効果のあるマッサージ

1. おへそから指4本分外側をグッと手で押さえます
2. 押さえたまま、グリグリとマッサージを行います
3. 左右30秒ずつ、1日3セットほど行います

注意ポイント

• 押さえると痛気持ち良い場所が正解です。全く何も感じない場合は場所が違うか、押さえる力が弱すぎる可能性があります
• グリグリマッサージする方向は縦や横など、様々な方向を行います
• 姿勢は、寝ていても座っていてもどんな姿勢でも構いません

脊柱管狭窄症を悪化させるマッサージの特徴

腰が反ってしまうと、脊柱管狭窄症は悪化します。マッサージやストレッチを行う際に、腰が反っていないかを確認してください。腰を反らせる筋肉が柔らかくなることにより、余計に反り腰になってしまう可能性があります。闇雲にマッサージやストレッチを行うことは、お勧めできません。どのようなストレッチが良いのかは、医師などの専門家にご相談ください。

脊柱管狭窄症を悪化させるマッサージ

• ストレッチポールや筋膜ローラーを腰に置いて、腰を反らせながら行うマッサージは推奨できません
• 腰を反ることにより、脊柱管狭窄症が悪化するおそれがあります
• また、うつ伏せで腰を上から強い力で押さえるマッサージも推奨できません。理由は同様で、余計に腰が反り脊柱管を狭くしてしまいます

正しいマッサージをしても改善がみられない脊柱管狭窄症の場合どうすれば良いか

脊柱管狭窄症に対して、マッサージは有効です。ただ、正しいマッサージを行っても全ての症状が緩和されるわけではありません。脊柱管の狭窄具合が重度の場合など、周りの筋肉の柔軟性を出し、反り腰姿勢が改善しても痛みやしびれが変わらない場合もあります。そのような場合は専門の医師にMRI画像を撮影してもらい、診察を受けることをおすすめします。保存療法(投薬やマッサージ)ではなく、外科手術と診断される場合もあると思います。「メスを使用するのが怖い」「家庭の事情で入院することが難しい」と仰る方も多くおられます。NLC野中腰痛クリニックでは、メスを使わずに脊柱管狭窄症の日帰り治療を行うことが出来ます。

脊柱管狭窄症に効果があるマッサージと悪化させるマッサージのまとめ

脊柱管狭窄症にマッサージは有効です。筋肉が硬くなり、腰が反ってしまうと骨のトンネル(脊柱管)は狭くなり(狭窄)、脊柱管狭窄症は悪化してしまいます。反り腰の原因の筋肉を、マッサージを行い柔らかくすることにより、症状改善が期待できます。反対に、脊柱管狭窄症を悪化させるマッサージもあります。間違ったマッサージを行い、腰を反らせる筋肉を柔らかくすると脊柱管狭窄症が悪化することも考えられます。正しい知識を持ち、マッサージなどのケアを行っていただければと思います。今の症状には、どのようなマッサージが適応か分からないといった場合は医師などの専門家にまずはご相談いただければと思います。

参照元

腰部脊柱管狭窄症の保存療法の適応および限界　中村滋　磯部真一郎　日本腰痛学会雑誌　9巻(2003)1号　p.52-57

引用リンク

腰部脊柱管狭窄症の保存療法の適応および限界