脊柱管狭窄症の足のしびれの治し方としてストレッチが有効です。腰の筋肉を柔らかくするストレッチは、脊柱管に負担を掛け辛い姿勢を作り、腰痛改善が期待できます。脊柱管狭窄症の足のしびれに有効な椎間孔拡大ストレッチとダンゴムシストレッチを紹介します。


目次

脊柱管狭窄症の足の痺れにストレッチは有効か

脊柱管狭窄症の足の痺れに対して、ストレッチは有効です。脊柱管狭窄症は姿勢により、症状が緩和や増悪します。

脊柱管狭窄症の足の痺れと姿勢について

脊柱管狭窄症の症状が緩和する姿勢

姿勢脊柱管
腰を丸める広がる

脊柱管狭窄症の症状が増悪する姿勢

姿勢脊柱管
腰を反る狭くなる

上記の表の通り、腰を反ってしまうと脊柱管(骨の通り道)が狭窄(狭くなり)し、症状が増悪してしまいます。腰回りの筋肉が硬いと、腰を反ってしまう姿勢になりやすくなります。ストレッチを行い、反り腰の原因の筋肉を柔らかくする必要があります。ただ闇雲にストレッチを行えば良いものではありません。脊柱管狭窄症を理解し、正しいストレッチを行わなければ症状が悪化する可能性もあります。専門家である医師にトレーニング指導を受けることをおすすめします。


脊柱管狭窄症のストレッチに対する注意ポイント

反り腰にならないように意識することが重要です。

反り腰の簡単チェック方法

反り腰

姿勢隙間
仰向けになり腰とベッドの間に手がスルっと入る

正常

姿勢隙間
仰向けになり腰とベッドの間に手が入りにくい

上記の表の通り、1度ご自身の姿勢をチェックしてください。脊柱管狭窄症の方は、反り腰になっている可能性が高いです。その場合は、お腹を凹まし、腹筋を意識しながらストレッチを行うことが重要です。意識することで、腰が反らない状態でストレッチを行うことが出来ます。


脊柱管狭窄症の足の痺れ症状にストレッチが良い理由

腰を反ってしまうと脊柱管(骨の通り道)が狭窄(狭くなり)します。狭窄が起きると神経を圧迫し、脊柱管狭窄症の足の痺れが増悪します。日常生活から、狭窄が起きる姿勢を少しでも取らないようにする必要があります。その姿勢を取るためには、腰のストレッチを行い、姿勢を整えることをおすすめします。


脊柱管狭窄症の足の痺れに有効なストレッチ2選

椎間孔拡大ストレッチ

  1. 四つ這い姿勢になります(手と足はそれぞれ、肩と股関節の真下にきます)
  2. 腰を丸めたまま、お尻を踵の方へ下げます
  3. 椅子に座るように、膝と股関節を曲げていきます
  4. ゆっくり元に戻します
  5. この動きを10回繰り返します
  6. 1日2,3セット行います

注意ポイント

  • 最初から最後まで出来るだけ腰は丸めてください
  • ストレッチ中は息を止めずに、自然に呼吸を続けてください

ダンゴムシストレッチ

  1. 仰向けになり両膝を立てます
  2. 両手で膝を抱えて胸の方へ引き寄せます
  3. その状態のまま10秒間深呼吸をします
  4. ゆっくり元に戻します
  5. この動きを5回繰り返します
  6. 1日2,3セット行います

注意ポイント

  • 出来るだけ力を抜き、腰を丸めてください
  • 気持ち良い程度が効果のあるポイントです

ストレッチを行っても足の痺れに変化が無い場合

脊柱管狭窄症の足の痺れに対して、ストレッチは有効です。ただ、全ての症状が緩和されるわけではありません。脊柱管の狭窄具合が重度の場合など、周りの筋肉の柔軟性を出し、姿勢を安定させるだけでは症状改善が難しい場合があります。そのような場合は専門の医師にMRI画像を撮影してもらい、診察を受けることをおすすめします。保存療法(投薬やリハビリ)ではなく、外科手術と診断される場合もあると思います。「メスを使用するのが怖い」「家庭の事情で入院することが難しい」と仰る方も多くおられます。NLC野中腰痛クリニックでは、メスを使わずに脊柱管狭窄症の日帰り治療を行うことが出来ます。


脊柱管狭窄症の足の痺れに有効なストレッチまとめ

脊柱管狭窄症の足の痺れにストレッチは有効です。中でも腰の筋肉を柔らかくするストレッチは、脊柱管に負担を掛け辛い姿勢を作るのに効有効です。間違った方法ですと、症状が悪化する可能性があります。お腹に力を入れ(凹まして)、腰が反らないように意識してください。ご自身の症状に対して、どのようなトレーニングやストレッチが適しているのかは専門の医師にご相談ください。また、保存療法(ストレッチなどのリハビリ、投薬)の適応ではない場合もあります。まずは医師の診察を受けることをおすすめします。


参照元

腰部脊柱管狭窄症による神経症状の改善と運動療法を併用した症例 手塚尚輝 山本泰宏 髙村浩司 関口賢人 笹本憲男 標準徒手医学会誌 2022年0巻9号 p.13-18

引用リンク

腰部脊柱管狭窄症による神経症状の改善と運動療法を併用した症例

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。