脊柱管狭窄症に筋トレは有効？効果的なスクワットについて腰痛専門医師が徹底解説

脊柱管狭窄症に筋トレは有効か

脊柱管狭窄症に対して、筋トレは有効です。脊柱管狭窄症になってしまう一番多い原因は、椎間板が潰れ、背骨がグラグラと動揺してしまうことです。その結果、背骨が変形したり脊柱管の中の靭帯が太くなり、脊柱管狭窄症を起こします。そのため少しでも動揺を防ぐ必要があります。動揺を防ぐには、筋肉が必要です。ただ闇雲に筋トレを行えば良いものではありません。脊柱管狭窄症を理解し、正しい筋トレを行わなければ症状が悪化する可能性もあります。専門家である医師にトレーニング指導を受けることをおすすめします。

脊柱管狭窄症の方が筋トレを行う際の注意点は？

腰を反ってしまわないように注意してください。腰を反る姿勢は、脊柱管が狭窄する姿勢です。どのようなトレーニングを行う際も、常に腰が反っていないかは意識してください。腰を反らせないためには、お腹に力を入れ少し凹ませてみてください。腹筋に力が入っている状態です。腹筋に力が入ると、腰は反りにくくなります。

脊柱管狭窄症に効果的なスクワット2選

スクワットは脊柱管狭窄症に効果的な筋トレです。お尻や太ももの筋肉を鍛えることにより、体幹の安定性が強化されます。今回は負担の掛かりにくい、スクワットを2つご紹介します。回数は目安になります。無理のない範囲で行ってください。

椅子を使ったスクワット

1. 椅子を持って立ちます
2. 足は肩幅に広げます
3. 椅子に座るように、膝と股関節を曲げていきます
4. ゆっくり元に戻します
5. この動きを10回繰り返します
6. 1日2,3セット行います

ポイント

• 膝と股関節を曲げるときは、つま先から膝が前に出ないようにします
• 最初から深く曲げすぎずに、少しずつ曲げます

ワイドスクワット

1. 肩幅より広めに足を広げます
2. つま先は45度ほど外側へ向けます
3. 膝に手を置くようにしながら、膝と股関節を曲げます
4. ゆっくり元に戻します
5. この動きを10回繰り返します
6. 1日2,3セット行います

ポイント

• 膝と股関節を曲げるときには、痛みが出ない範囲内で行います
• 回数を重ねても、つま先の角度が変わらないようにします

ヒップアップ

1. 両ひざを立てて仰向けになります
2. 足の裏で地面を押すように力を入れ、お尻を浮かせます
3. この時に腰が反らないように、お腹にも力を入れてください
4. 10秒キープ出来たら、ゆっくりお尻を下ろしてください
5. この動きを10回繰り返します
6. 1日2,3セット行います

ポイント

• お尻周りの筋肉強化により、脊柱管へのストレスを軽減する効果があります
• 腰を反らしすぎないように注意しましょう

筋トレをしても効果が無い、脊柱管狭窄症の場合はどうすれば良いか

脊柱管狭窄症に対して、筋トレは有効です。ただ、全ての症状が緩和されるわけではありません。椎間板の損傷具合が激しい場合など、周りの筋肉を鍛え安定させるだけでは症状改善が難しい場合があります。そのような場合は専門の医師にMRI画像を撮影してもらい、診察を受けることをおすすめします。保存療法(投薬やリハビリ)ではなく、外科手術と診断される場合もあると思います。「メスを使用するのが怖い」「家庭の事情で入院することが難しい」と仰る方も多くおられます。NLC野中腰痛クリニックでは、メスを使わずに脊柱管狭窄症の日帰り治療を行うことが出来ます。

脊柱管狭窄症に効果的なスクワットまとめ

脊柱管狭窄症に筋トレは有効です。中でもスクワットは、お身体に無理なく筋肉をつけて、脊柱管を安定させる効果が期待できます。間違った方法ですと、症状が悪化する可能性があります。お腹に力を入れ(凹まして)、腰が反らないように意識してください。ご自身の症状に対して、どのようなトレーニングが適しているのかは専門の医師にご相談ください。また、保存療法(筋トレなどのリハビリ、投薬)の適応ではない場合もあります。まずは医師の診察を受けることをおすすめします。

参照元

ロコモティブ症候群って何？　金子和夫　順天堂医学第28回都民公開講座《スポーツと健康》　2011年57巻5号　p.449-455

引用リンク

ロコモティブ症候群って何？

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