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腰痛の原因としてまず思い浮かぶのは椎間板ヘルニアではないでしょうか。このブログでは椎間板ヘルニアの症状や原因、やってはいけないこと、また予防方法について解説しています。
腰の病気「腰椎椎間板ヘルニア」とは?
椎間板とは背骨の間にあるクッションのような機能を果たす組織です。この椎間板が変形し、飛び出して神経を圧迫することで腰・足の痛み、痺れ等が現れた状態を「腰椎椎間板ヘルニア」と言います。
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状について
- 腰痛・足の痛み
- 足の痺れ
- 前かがみになると痛みが出る
- 座っていると痛みが出る
- 足に力が入りにくい
腰椎椎間板ヘルニアになるとお尻から足のふくらはぎや太ももにかけて痛みや痺れがでる「坐骨神経痛」や急に起こる強い腰痛「ぎっくり腰」を引き起こすことがあります。
腰椎椎間板ヘルニアの原因について
腰椎椎間板ヘルニアの原因は様々ですが、主に遺伝的要因・加齢・過度な身体への負担が考えられます。当院へお問い合わせをいただく患者様の多くは過去にスポーツをされていたり、腰に負荷がかかるようなお仕事をされておられた方が多く、10代・20代で腰椎椎間板ヘルニアの診断を受ける患者様もいます。
腰椎椎間板ヘルニアの際にやってはいけないこと
腰に負担のかかる作業
前かがみになるような姿勢
腰椎椎間板ヘルニアは体を丸めた姿勢によって痛みが出ることが多く特にデスクワークでの長時間の座位、長時間の運転といった前かがみになりやすい姿勢を続けることで症状が出ることがあります。前かがみになる姿勢が多い場合はこのような点に気を付けましょう。

- デスクワーク中は20~30分に1回立ち上がる
- 長時間運転をする場合は車から降りてストレッチする
- スマートフォンを猫背のまま扱わない
中腰で重いものを持ち上げる作業
中腰の姿勢で重い物を持ち上げたり、持ち続ける姿勢は腰に非常に負担がかかるため腰を下まで下ろし膝を使って持ち上げるようにしましょう。また腰椎ベルトをお持ちの場合は腰に巻くことで腰への負担を軽減することができます。

運動不足・強い負荷の運動をする
日常的な運動不足
日常的にあまり運動をしていないと筋力低下、筋肉の緊張や硬直を起こし痛みが悪化する場合はあるため適度な運動は積極的に取り入れるようにしてください。運動不足の解消と腰への負担が少ない運動方法として水泳はおすすめです。また30分程のウォーキングやストレッチも効果的です。ストレッチは症状や身体の状態に応じて適切な運動方法があります。

椎間板ヘルニアに特化したストレッチを方法をご紹介しています。
椎間板に強い負荷がかかる運動
椎間板は体を捻ったり・曲げたりする動作をスムーズに行うための機能があります。この椎間板に強い負荷がかかると痛みや痺れの症状が悪化する可能性があります。既に痛みがある場合にはこのような運動をなるべく控えていただくことをお勧めします。

- 体の片側だけに負担がかかる運動
- 捻る動作が多い運動
- 強い負担がかかる運動
ゴルフ・野球・激しい筋力トレーニング・ボウリング・テニス等は特に腰に負担がかかりやすい運動になるため運動前や後にストレッチを念入りに取り入れていただいたり、痛みが強い場合は無理にしないように心がけてください。
喫煙
また喫煙は腰痛を悪化させる可能性があると示唆されています。非喫煙者と比較して、腰痛の発生率が高くなることが分かっています。腰痛にお悩みの場合は禁煙されることをお勧めします。

腰椎椎間板ヘルニアの予防方法紹介
腰椎椎間板ヘルニアは体を酷使したり、加齢によって椎間板の変形が進行し椎間板ヘルニアが起こるため身体の動かし方や生活習慣の見直しから予防していくことが大切です。
- 適度な運動をする
- 同じ姿勢を続けるときは適度に休憩する
- スポーツをする時はストレッチ等の柔軟運動を行う
- バランスの取れた食事を心がける
特に座り姿勢は腰にとって負担のかかりやすい体勢であるため長時間椅子に座っての作業が多い方は適度な休憩を挟み、姿勢を良くして座るようにしましょう。
NLC野中腰痛クリニックによる腰椎椎間板ヘルニアの治療実績
当院における腰椎椎間板ヘルニアの治療実績をご紹介します。腰部脊柱管狭窄症と併発するケースも多く、また坐骨神経痛などの症状もみられます。当院の腰椎椎間板ヘルニアの治療実績はこちらをご覧ください。
NLC野中腰痛クリニックの日帰り腰痛治療の実績は、5,034件(集計期間:2018年6月~2023年8月)
椎間板が変形したことで神経の周辺が炎症し、両足がしびれて仕事をすることも困難になられた患者さまです。DST(ディスクシール治療)を行うことで炎症を改善した後、足の症状の改善を図りました。
腰椎分離症と腰椎すべり症と診断されておられる患者さまです。4年ほど前より左坐骨神経の領域に疼痛としびれが出現しておられ、原因治療を目的にDST法(ディスクシール治療)を行いました。
【まとめ】腰椎椎間板ヘルニアになったらやってはいけないことと予防法を解説
腰椎椎間板ヘルニアは早ければ10代から発症する可能性のある病気です。まずは今回ご紹介した「やってはいけないこと」や「予防方法」を実践いただくことをお勧めします。しかし、痛みや痺れの症状を繰り返し慢性的になっている場合や、年々悪化傾向にある場合には手術も必要になることがあります。野中腰痛クリニックでは椎間板ヘルニアに対する治療法として症状に合わせた治療法を提供しています。椎間板の内圧が高く、MRI上の椎間板ヘルニアが軽度から中度である場合には「PLOT法」「PODT法」「PLDD法」が有効であり、脱出型・遊離型の椎間板ヘルニアに対しては「PIDT法」や「DST法」を提供しております。当院では椎間板の修復・再生を目的としたDST法(ディスクシール治療)を提供しています。
この記事の著者

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。