概略

坐骨神経痛に湿布薬は効果が期待できます。ただし、湿布薬の種類や効能がご自身の体に合うかどうか判断して使う必要があります。このブログでは市販の湿布薬の効果・効能と湿布以外での対策について解説しています。


坐骨神経痛に湿布は効く?正しい貼り方や湿布以外の対策について解説

目次

坐骨神経痛の症状に湿布は効果ある?

坐骨神経痛に湿布は効果的であると、日本整形外科学会・日本腰痛学会監修の「腰痛診療ガイドライン」に記載されています。具体的な薬剤は大きく分けて3種類あります。

  • 非ステロイド性抗炎症薬

「痛み・炎症・発熱」等を引き起こす物質「プロスタグランジン」が生成されることを抑える効果があります。

  • Caチャネルα2δリガンド

神経伝達による疼痛を和らげる効果があります。

  • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬

脳内のセロトニンとノルアドレナリンの濃度を上昇させ神経伝達を改善させる効果があります。また慢性的な腰痛の場合は湿布よりも温熱療法(カイロ等)の効果が高い場合があります。これらの薬剤の使用をどのように選択するかは医師が患者様の現在の症状を総合的に判断して決定していきます。


市販されている湿布の種類と効能・効果

  • 1.ロキソニンテープ

鎮痛消炎効果を持つ「ロキソプロフェンナトリウム水和物」が配合されており、主に腰痛や肩こりなどに対して使用することの多い湿布薬です。

  • 2.モーラステープ

「ケトプロフェン」が配合されており、主に腰痛に対して有効です。またモーラステープは関節リウマチに対する処方にも使われることがあります。ロキソニンテープもモーラステープも大きな優劣の差はないと言われています。しかし、モーラステープの特徴として紫外線を受けると色素沈着を起こす可能性があるため使用する際は露出していない肌に張るといった注意が必要です。


坐骨神経痛の方が湿布を貼る際のポイント

湿布の使用は1日1回ですが、貼り続けることでかぶれてくる場合があるので用法・容量は記載に従うようにしましょう。腰・お尻や股関節周りに貼るのがおすすめです。慢性の腰痛がある場合は湿布の上から使い捨てカイロで温めると効果的です。

坐骨神経痛の方が湿布を貼る際のポイント

湿布の使用に関して妊娠中の方は注意が必要

湿布を使用する場合は必ず医師の指導に従うようにしてください。妊娠中は市販の湿布でも使用を推奨していないものがあります。厚生労働省にて公表されている該当内容を確認するようにしてください。厚生労働省による「使用上の注意」に関してはこちら


坐骨神経痛を改善方法する方法3選

  • 正しい姿勢を心がける
  • 重たい物をできるだけ持たないようにする
  • 軽いストレッチやウォーキングを行う

NLC野中腰痛クリニックによる坐骨神経痛の治療実績

当院における坐骨神経痛の治療実績をご紹介します。坐骨神経痛は腰痛疾患をお持ちの幅広い年齢層の患者様に見られる症状です。当院の坐骨神経痛の治療実績はこちらをご覧ください。
NLC野中腰痛クリニックの日帰り腰痛治療の実績は、6,358件(集計期間:2018年6月~2024年10月)


坐骨神経痛対策に湿布の正しい貼り方や湿布以外の対策についてまとめ

坐骨神経痛に湿布は効果的な治療法です。特に腰・お尻・股関節部分に対して湿布を貼ることで効果が期待できます。しかしそうしたセルフケアでも症状が改善しない場合や症状が強くなっている場合は医療機関にて相談するようにしましょう。


参考文献参照元

1:日本整形外科学会,日本腰痛学会."腰痛診療ガイドライン2019(改定第2版)".株式会社南江堂.
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001110/4/Low_back_pain.pdf(参照2022-12-17)
2:第一三共ヘルスケア株式会社."ロキソニンSテープ".第一三共ヘルスケア株式会社.https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/details/loxonin-s_tape/(参照2022-12-17)
3:祐徳薬品工業株式会社."医療用医薬品:モーラス".祐徳薬品工業株式会社.https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054960/(参照2022-12-17)

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


坐骨神経痛

坐骨神経痛

坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。