概略

坐骨神経痛の症状改善には、筋トレをすることでその効果が期待できます。主に臀部とハムストリングを強化するエクササイズや体幹トレーニングなど、具体的なトレーニング方法を解説しています。症状や体調に合わせて無理せず行い、必要に応じて医師の指導を受けることが推奨されています。


坐骨神経痛におすすめの筋トレをご紹介!

目次

筋トレは坐骨神経痛の症状改善効果があるのか?

結論として、筋トレは坐骨神経痛の症状改善に効果が期待できます。また、トレーニング方法は坐骨神経痛の発症原因である腰の病気(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など)によって異なります。


そもそも坐骨神経痛の時に筋トレや運動はしていいのか?

坐骨神経痛の症状が出る原因の1つに血液の流れが悪いことが考えられますので、適度な筋トレや全身運動で血の流れを良くすると症状が改善しやすいと言われています。しかし、筋トレなど運動中に痛みが強く出る場合や、終わった後に症状が悪化する場合は、その運動方法が体に合っていない可能性が高いので運動を控えるようにしてください。また、どのような運動が良いのか不安な場合は理学療法士や医師の指導を受けるようにすることをおすすめします。


坐骨神経痛の症状改善効果がある筋肉強化トレーニング

ヒップリフト

臀部と裏腿の筋肉の強化に効果的なエクササイズです。

  1. 仰向けで寝て、軽く両膝を曲げます
  2. 腰が反らない程度の高さまでお尻から順番に上体をゆっくり上げていきます
  3. 背中から順番にお尻までゆっくり下ろしていきます
  4. (2)(3)を繰り返し10回、1日2セット程度行います

ポイント

  • 呼吸は止めずに行いましょう
  • 腹筋も意識することで腰が反るのを防ぐことができます
  • 脊柱管狭窄症の方は腰が反りすぎないように注意しましょう

腰をかがめる運動

背中から裏腿の筋肉の柔軟性を高めるストレッチです

  1. 肩幅に脚を広げて立ちます
  2. 背中を丸めながらゆっくりとかがんでいきます。背部からお尻の付け根まで筋肉がストレッチされる感覚を感じてください
  3. (1)(2)を繰り返し10回、1日2セット程度行います

ポイント

  • 体をかがめる際、出来るだけ背中を丸くしていきましょう

振り子運動

股関節や骨盤の柔軟性を高める効果のあるストレッチです。

  1. 壁に手をつき、片脚立ちになります
  2. もう片方の脚を振り子のように前後に軽く揺らします
  3. 片脚ずつ10回、1日2セット程度行います

ポイント

  • 脚を揺らす際、バランスを崩さないように脚の振り幅の調節をしましょう
  • 背中が反ったり、丸くならないように意識してください

体幹トレーニング

姿勢を保持するために重要なインナーマッスルを鍛えるエクササイズです。

  1. 四つん這いになります
  2. 片腕を前に伸ばし、出来るだけ床と並行の高さまで挙げていきます
  3. 上げた腕と反対側の足を浮かせていきます
  4. (2)(3)を10回程度繰り返し、手足を入れ替えて同様に1日2セット程度行います

ポイント

  • フォームが崩れないように、腹筋に力を入れましょう
  • 背中が反ったり、丸くならないように意識してください

※脊柱管狭窄症の方は、腰が反りすぎないように注意して運動を行うようにしてください。その日の体調や症状の程度によって回数は調節してください。どのエクササイズも、腰や膝などに痛みや違和感が出る場合は無理に行わないようにしてください。


坐骨神経痛が改善する方法について

主に下記の3つを意識して日常生活を送ってみてください。

  • 日常生活の中で正しい姿勢を保つようにする
  • 重たい物を極力持たないようにする
  • 軽いウォーキングや入浴等で身体を温める

特に寒い時期は血流の流れが悪くなりやすいため、痺れや痛みの症状が強く出てくることがあります。その際はお風呂に浸かったり、カイロで身体を温める等して、できる限り身体を冷やさないようにしましょう。

坐骨神経痛におすすめの筋トレをご紹介!:坐骨神経痛を改善する方法について

NLC野中腰痛クリニックによる坐骨神経痛の治療実績

当院における坐骨神経痛の治療実績をご紹介します。坐骨神経痛は腰痛疾患をお持ちの幅広い年齢層の患者様に見られる症状です。当院の坐骨神経痛の治療実績はこちらをご覧ください。
NLC野中腰痛クリニックの日帰り腰痛治療の実績は、6,358件(集計期間:2018年6月~2024年10月)

令和元年に当クリニックで脊柱管狭窄症に対してディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行い、症状がほぼ消失された患者さまです。しかし、趣味であるゴルフを再開されると軽度の坐骨神経痛が出現する状態になられたため、再度ディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行う事による症状の改善を図りました。治療後は約2時間ベッドでお休みいただき、ご帰宅していただきました。


まとめ

坐骨神経痛はご自身のセルフケアや筋トレで症状改善が期待できますが、慢性的な坐骨神経痛の症状や症状が強く出てくる場合は医療機関を受診されることをお勧めします。また坐骨神経痛の症状が出ている場合は、椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症といった疾患の疑いもあります。当院のホームページにて、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症について詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


坐骨神経痛

坐骨神経痛

坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。