ビタミンCは腰痛に効く? 序論

はじめに

ビタミンCを定期的に摂取することで、免疫力が強化され、風邪やインフルエンザ等の病気に対する抵抗力が高まることについて、皆さんはよくご存じだと思います。しかし、ビタミンCは腰痛に対しても効果的であるということはそれほど知られていません。今日は、腰痛とビタミンCの関係についてお話したいと思います。


結論

ビタミンCは、傷の治癒に必要なタンパク質であるコラーゲンを生成するために必要とします。したがって、ビタミンCは腰痛に効くと言えます。


研究

カナダの研究者が2003年から2004年にかけてアメリカ国民の健康と栄養の関係を調査しました。その結果、腰痛持ちの人の多くがビタミンCが欠乏していることがわかり、研究者は「ビタミンCの不足がコラーゲンの性質の悪さと腰痛に寄与しているのではないか」という仮説を雑誌「Pain」にて発表しました。


概略

ビタミンC

ビタミンCはアスコルビン酸としても知られ、ビタミンDと同様に体内のカルシウムの吸収を高め、丈夫で健康な骨を促進することが出来ます。また、身体の治癒に必要なタンパク質であるコラーゲンの形成に重要な働きをすることがわかっています。

コラーゲン

コラーゲンは靭帯、腱、骨の主成分の1つで、細胞と細胞の間をつなぐタンパク質です。皮膚や粘膜の健康を維持するものとして知られており、コラーゲンが不足すると骨や筋肉などが弱くなる恐れがあります。弱くなった骨や筋肉は、自分の体重の負荷に耐えられなくなり、結果的に神経を圧迫してしまう原因になります。

摂取方法

多くの哺乳類は、体内でブドウ糖からビタミンCを作ることができます。しかし、人間の体内にはブドウ糖をビタミンCに変換する酵素がありません。そのため、野菜や果物などを食べて摂取する必要があります。厚生労働省が定めた食事摂取基準によると、ビタミンCの摂取基準量は、1日100㎎と設定されています。しかし、現代の日本人は野菜・果物の摂取量が不十分であり、その摂取量は年々減少傾向にあります。厚生労働省の「平成30年 国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日の野菜摂取目標量にはどの年代も達していません。1人1年当たりの野菜消費量(kg/年・人)は、昭和60(1985)年と比べて令和元(2019)年では約2割減少しています。


まとめ

近年、不足しがちなビタミン類を野菜ジュースやサプリメントで補う人もいます。しかしそれらの健康食品から摂取されるビタミンは、野菜等の食事で摂取した場合よりも排せつまでの時間が非常に短いことが知られています。腰痛リスクの少ない健康的な生活を維持するためにも、1日約350g以上の野菜類(内訳:緑黄色野菜120g以上、淡色野菜230g以上)を摂取しましょう。もし達成できない場合は、サプリメントなどの健康食品をうまく組み合わせて摂取することをおすすめします。ただし、サプリメントに依存しすぎないよう、くれぐれもご注意ください。


ビタミンCは腰痛に効く? 結論

参考文献参照元

①The role of vitamin C in the treatment of pain: new insights - 2017 - Anitra C Carr, Cate McCall - Journal of Translational Medicine (Volume 15, Issue 1, P 77)
②Serum vitamin C and spinal pain: a nationwide study - 2016 - Clermont E Dionne, Danielle Laurin, Thérèse Desrosiers, Belkacem Abdous, Natalie Le Sage, Jérôme Frenette, Myrto Mondor, Sylvie Pelletier - Pain (Volume 157, Issue 11, P 2527-2535)
③A Systematic Review on the Role of Vitamin C in Tissue Healing - 2022 - Nada Bechara, Victoria M Flood, Jenny E Gunton - Antioxidants (Volume 11, Issue 8, P 1605)
④Effects of Acute Vitamin C plus Vitamin E Supplementation on Exercise-Induced Muscle Damage in Runners: A Double-Blind Randomized Controlled Trial - 2022 - María Martínez-Ferrán, Víctor Cuadrado-Peñafiel, Juan Manuel Sánchez-Andreo, Marta Villar-Lucas, Mónica Castellanos-Montealegre, Agustín Rubio-Martín, Carlos Romero-Morales, Soraya Casla-Barrio, Helios Pareja-Galeano - Nutrients (Volume 14, Issue 21, P 4635)

参考文献のリンク

The role of vitamin C in the treatment of pain: new insights
Serum vitamin C and spinal pain: a nationwide study
A Systematic Review on the Role of Vitamin C in Tissue Healing
Effects of Acute Vitamin C plus Vitamin E Supplementation on Exercise-Induced Muscle Damage in Runners: A Double-Blind Randomized Controlled Trial

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この記事の著者

この記事の著者:野中康行院長

NLC野中腰痛クリニック院長野中 康行

2002年川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年ILC国際腰痛クリニック開設、2020年医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年NLC野中腰痛クリニック開設。

治療実績:4,329件
(平均77件/月・2018年6月~2023年1月まで)