概略

お尻から足にかけて痺れ・痛み、足に力を入れ辛くなった、お尻や足に冷感、灼熱感を感じることがある。このような症状を感じている方は坐骨神経痛かもしれません。坐骨神経痛の症状かどうかご自身で確認するためにセルフチェックシートやご自身でできる検査方法を解説します。


坐骨神経痛はどのような痛み?チェックシートから解説

目次

坐骨神経痛の症状チェックリスト

坐骨神経痛の症状には以下のような特徴があります。現在のご自身の症状と当てはまる項目はいくつありますか?

症状

  • お尻から足にかけて痺れ・痛みがある
  • ふくらはぎが張っている
  • 足に力を入れ辛くなった
  • 腰を曲げたり伸ばしたりが辛い
  • 短い距離を歩き、休憩するとまた歩けるといったことが増えてきた
  • お尻や足に冷感、灼熱感を感じることがある

1つでもこのような症状に当てはまる方は坐骨神経痛による症状である可能性が高いです。また坐骨神経痛は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった病名において確認されることの多い症状です。

痛みが出やすい姿勢

体を丸めた時に症状が出やすい
椎間板ヘルニアから来る坐骨神経痛の可能性があります。

腰を反らした時に症状がでやすい
脊柱管狭窄症から来る坐骨神経痛の可能性があります。

あくまでも目安ですので正しい診断による病名の特定は必要ですが、このように症状が出やすい姿勢によってそれぞれ特徴が異なります。


坐骨神経痛のセルフチェック方法

セルフチェック方法としては以下のような方法が挙げられます。

SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)

主に椎間板ヘルニアの症状があるかどうかを確認するテスト方法になります。

  1. 仰向けの状態で、床に横になります。
  2. 足首をできるだけ立てた状態で、膝をまっすぐ伸ばし、足を上げていきます。

足を上げた時に痛みや痺れが出る場合は椎間板ヘルニアから来る症状の可能性が高いと考えられます。

スランプ姿勢

腰を丸めた姿勢のことをスランプ姿勢と言います。

  1. 椅子やベッドに座る
  2. 腰を前屈させる
  3. 足を上に上げる

腰を丸めると痛みが出たり、足に痺れが出る場合、あるいは体が後ろに反ってしまう場合は坐骨神経痛の可能性が高いと考えます。こうしたセルフチェックは医療機関の医師が病名を特定する方法の1つでしかありません。このセルフチェックだけで病名が特定できるわけではありません。あくまでもご自身のお身体の状態を確認する方法として参考にしてください。


坐骨神経痛に有効な治療方法について

保存療法

  • 薬物療法
  • ブロック注射
  • 運動療法
  • 装具療法(コルセット固定など)

症状が軽度あるいは初期の治療方法として選択されることが多いです。外科的手術はリスクが伴うため、保存療法で改善が見られるのであればまずはその方法を続けてみることをお勧めします。しかしながら、保存療法でも症状の改善がない場合には外科的手術も検討する必要があります。

手術療法

  • 椎間板切除術(LOVE法)
  • 椎間板摘出術(MD法、MED法)
  • 経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PELD法)

皮膚を切開してヘルニアを取り除く切除術と皮膚を切らずにレーザーや酵素薬を入れる椎間板治療です。切除術はヘルニアを切り取るため、神経への圧迫を早く取り除くことができます。特に症状が強くヘルニアも神経に大きく飛び出している場合は外科的手術が有効です。また手術の成功率は80~90%程度を言われています。しかし、手術後に再発する可能性もあるため手術後も予防として適度な運動は続ける必要があります。


NLC野中腰痛クリニックの椎間板治療とは?

当院では椎間板治療に特化した治療を提供しています。椎間板ヘルニアに有効な治療法としてPLDD法以外にDST法(ディスクシール治療)を行っています。DST法は従来の手術方法とは考え方が異なります。椎間板を切除したり、レーザーで焼いたりすると症状の改善は見込めるのですが、切った後の傷口を塞いでいないため傷口からヘルニアが再発する可能性があるためです。DST法は原因となる傷口を塞ぐことで症状を改善し、また再発する可能性を下げることが目的となっています。PLDD法と同じく、日帰りで治療ができるため入院の必要がなく、お身体への負担も少ない治療方法となっています。しかし、治療後効果が出るまでには3~6カ月程時間がかかります。


NLC野中腰痛クリニックによる坐骨神経痛の治療実績

当院における坐骨神経痛の治療実績をご紹介します。坐骨神経痛は腰痛疾患をお持ちの幅広い年齢層の患者様に見られる症状です。当院の坐骨神経痛の治療実績はこちらをご覧ください。
NLC野中腰痛クリニックの日帰り腰痛治療の実績は、5,638件(集計期間:2018年6月~2024年3月)

令和元年に当クリニックで脊柱管狭窄症に対してDST法(ディスクシール治療)を行い、症状がほぼ消失された患者さまです。しかし、趣味であるゴルフを再開されると軽度の坐骨神経痛が出現する状態になられたため、再度DST(ディスクシール治療)を行う事による症状の改善を図りました。治療後は約2時間ベッドでお休みいただき、ご帰宅していただきました。


まとめ

坐骨神経痛は症状名の1つであるため、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった疾患から引き起こされることが多い症状になります。セルフチェック等で坐骨神経痛から来る痛みや痺れを確認することで疾患の疑いを知ることができますが、詳しいお身体の状態はMRI撮影や医師の診断を受けることをお勧め致します。

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


坐骨神経痛

坐骨神経痛

坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。