ヘルニアの種類と症状

ヘルニアは腰以外に、体内にある組織や臓器が本来あるべき場所から飛び出す(脱出)ことを指します。
 鼠経(そけい)ヘルニアはいわゆる脱腸、太腿ヘルニア、腹壁ヘルニア、そして椎間板ヘルニアがあります。

鼠径(そけい)ヘルニア

鼠経(そけい)ヘルニアは、脱腸とも呼ばれています。
鼠経部(足のつけ根)にある筋膜の隙間から、腸などの臓器が飛び出してしまう病気です。
 鼠経ヘルニアになるとピンポン球のような膨らみが足のつけ根に現れます。膨らみが大きくなり進行すると痛みや嘔吐、またこの状態を放置すると硬化(硬く)なります。
これを嵌頓(かんとん)と言います。中年以降の男性に多い病気だと言われています。


大腿(だいたい)ヘルニア

鼠経ヘルニアと同様に足のつけ根に出るヘルニアですが、太腿に近い箇所に膨らみが現れるのが特徴です。
特に中年以降の女性に多い症状で、腸が急につけ根にはまり緊急手術を必要とする場合もあります。


腹壁(ふくへき)ヘルニア

開腹手術などによる外傷は傷がない部分に比べると皮膚が弱く、そこから腸などの内臓が飛び出す病気です。
へそ辺りに膨らみが出ることが多く、立ち上がり、せきやくしゃみ、排便時などお腹に圧力がかかると大きくなることがあります。
腹部の手術の合併症のひとつとして起こることもあります。


椎間板(ついかんばん)ヘルニア

椎間板ヘルニアとは脊椎(首から腰の骨)の間にあるクッションのような組織です。
椎間板ヘルニアは頸椎(首)ヘルニア、胸椎(胸)ヘルニア、腰椎(腰)ヘルニアがあります。当院は「腰椎」に特化し腰椎の椎間板ヘルニアの治療を行っています。
 椎間板があることで腰を曲げたり、捻ったりすることができます。
しかし、激しい運動や、経年劣化により椎間板が消耗し変形すると本来の形を保つことができなくなり背中に通る神経に飛び出し、椎間板ヘルニアになります。
椎間板ヘルニアは比較的若年層に多い病気で、早いと10代・20代から発症し始めます。
軽いヘルニアであれば自然に治ることもありますが、神経全体を圧迫するような脱出型ヘルニアの場合は手術が必要な場合があります。



ヘルニアの治療法

鼠経ヘルニア、大腿ヘルニアや腹壁ヘルニアの治療は外科もしくは消化器外科で診療・手術を行います。手術方法は腹腔鏡下修復術と鼠経部切開法になります。
 当院に鼠経ヘルニア等の病気でお悩みでお問い合わせいただくことがございますが、鼠経ヘルニア・大腿ヘルニコア・腹壁ヘルニアは当院での治療は対象外となっております。消化器外科を受診ください。

椎間板ヘルニアの治療法

治療の3つの選択肢があります。

保存療法

保存療法は薬・湿布・温熱法・リハビリ等があります。診断初期で症状が軽い場合には保存療法が選択されることが多く、痛みを緩和させることが目的となります。
 しかし、病気が進行すると薬が効かなくなったり、マッサージをしても効果がなくなるため症状が強い場合には手術を行うことがあります。

外科的手術

手術方法としてはヘルニアを切除する方法があります。背中を切開し、ヘルニアを切除することで神経への圧迫を取り除くことを目的としています。
近年は早期社会復帰、入院期間の負担を減らすため内視鏡による手術を選択されることが多くなっています。
しかし、ヘルニアを切除するだけでは再発の可能性が高く、また手術時に神経を傷つけるリスク、靭帯や筋肉の一部を切除するためご高齢の方や大病を患っている患者様は手術ができない場合があります。

椎間板治療

そこで、メスを使わず日帰りで治療が椎間板治療が行われるようになりました。当院ではヘルニアに対して5種類の治療法があり、症状やヘルニアの状態に合わせて適切な治療法を提案しています。
PLDD方は椎間板をレーザーで焼き、ヘルニアを引っ込めるという方法です。局所麻酔・日帰りで対応できるため軽度から中度のヘルニアの患者様に効果が期待できます。
しかし、外科的手術同様に再発率が高いことが問題でした。そこでDST法という椎間板を修復・再生する治療方法が開発され、日本では当院でこの治療を受けることができます。
DST法の優れた点は椎間板のボリュームが減ってしまった部分に対しても治療ができるという点です。メスを使わず針を椎間板に通して薬剤を入れるため針が通る隙間があれば治療が可能です。
ヘルニアの再発防止、椎間板の再生に対して効果が期待できます。


まとめ

ヘルニアは本来あるべき場所から飛び出すことを指します。
椎間板ヘルニアの場合、ヘルニアが自然治癒することもありますが長期間に渡って慢性的な痛み・しびれなどが出る場合には手術を選択する場合もあります。
当院では症状に合わせて適切な治療方法をご提案するとともに、レントゲン・MRIによる画像上の診断結果も診察時に丁寧にご説明することに努めています。


この記事の著者

この記事の著者:野中康行院長

院長 野中 康行

NLC野中腰痛クリニックでは、DST法をはじめとする腰痛治療を行っています。海外の先進治療を導入することで、腰をはじめとする脊椎疾患に悩む患者様の治療の選択肢を広げ、症状や状態に合わせた治療を提案しております。 主に脊柱管狭窄症、すべり症、椎間板ヘルニア等の対象疾患を中心に、ご高齢の方、再手術を検討する方、短期間での社会復帰を求める方にとって体への負担の少ない治療法を提供しています。