概略

腰椎椎間板ヘルニアに対する代表的な治療法として「PLDD(レーザー治療)」と「DST(ディスクシール治療)」があります。患者様にとって最適な治療法はどちらかを決定するのは、椎間板の損傷具合に基づいています。損傷が重度の場合はDST(ディスクシール治療)が、損傷が軽度の場合は「PLDD(レーザー治療)」がより良い治療法と考えます。


はじめに

当クリニックでは治療方法をどのように選択しているのかに関して、患者様よりご質問を頂くことが多いので、わかりやすくご説明したいと思います。

今回は、PLDD(椎間板レーザー減圧術)DST(ディスクシール治療)の分け方をご説明します。当クリニックでは、椎間板と呼ばれる腰のクッション部分を治療しています。椎間板の損傷がひどい場合には、以下の動画の様に、黒く映ってくる部分が見られます。

この様に黒く映る部分は、椎間板の繊維輪と呼ばれる部位が相当の損傷を受けている事になりますので、DST(ディスクシール治療)が必要になります。対して、以下の動画の様に黒く映ることが無い場合は椎間板の損傷が軽微であり、PLDD(椎間板レーザー減圧術)で対応する事が適切となります。

動画では一瞬黒く映りますが、黒く映る部分が広がる事はありません。


まとめ

当院では必ず検査を行い、椎間板の損傷部位やその程度を把握した後に治療を行っております。このことは欧米において、治療ガイドラインにて推奨されている事ですが、国内で椎間板治療を行っている施設では実施されていると聞いた事はありません。当クリニックでは、欧米の椎間板治療およびガイドラインに準じたスタンダードな治療を提供しておりますし、今後とも新たな知見やガイドラインに沿った方法を選択していく所存です。

この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任