概略
軽度の脊柱狭窄症に対する保存的治療法について、薬物療法と運動療法があります。薬物療法は「痛み」「しびれ」「炎症」を和らげることができ、即効性のある治療法です。運動療法は「柔軟性」「筋力」「血液循環」「代謝」を改善することができ、腰痛予防、再発予防になります。
目次
腰部脊柱管狭窄症の保存的治療(運動療法・薬物療法)
比較的症状が軽い場合には、内服による薬での緩和を目的にした保存的治療や運動療法による治療方法を勧められることがあります。疼痛を和らげるために痛み止めの薬や血流をよくする薬や漢方等が処方されることがあり、服用することで痛みやしびれの緩和、腰からくる冷え等の効果が期待されます。運動療法は身体を柔らかくすることで柔軟性が高まり、疼痛の軽減、代謝および血液循環の改善にも効果があると言われています。正しい姿勢で座る運動を意識的に行うことで身体の中にある筋肉を効果的に鍛えられます。
腰部脊柱管狭窄症の保存的治療のメリットとリスク
保存的治療のメリット
運動療法においてはいつでも始めることができ、筋力をつけることによって腰痛予防、再発予防になります。強い疼痛を感じ、すぐに痛みを抑えたい場合に薬を飲むことで痛みを緩和することができます。日常生活で支障が出るほど痛みが強い場合に即効性のある治療法です。
保存的治療のリスク
運動療法も薬物療法も根本的な治療ではないため、完治することはありません。
そのため、運動のし過ぎや無理な運動で疼痛が強くなってしまったり、薬を飲み続けることによって効果が薄まり、十分な効果を感じられなくなったりすることがあります。
腰部脊柱管狭窄症を再発・悪化させない!日常生活での注意点
身体を冷やさないことや、長時間の同じ姿勢は控えましょう。背中を反らしたり、腰をひねったり、重いものを持ち上げるなど腰に負担がかかる動作や姿勢は避けるようにしてください。しかし安静にした状態も腰にとってはあまり良くないため、当院では適度にウォーキングをしたりストレッチをすることを推奨しています。
NLC野中腰痛クリニックによる腰部脊柱管狭窄症の治療実績
腰部脊柱管狭窄症の治療実績をご紹介します。中高年以上の患者さまが多く、治療中のご様子までご覧いただけます。当院の腰部脊柱管狭窄症の治療実績はこちらをご覧ください。
NLC野中腰痛クリニックの日帰り腰痛治療の実績は、6,358件(集計期間:2018年6月~2024年10月)
過去に他院にて脊柱管狭窄症に対して外科的手術(脊椎固定術)を2度された患者さまです。一時的な症状改善は見られたものの再発を繰り返されているため受診されました。今回は腰椎の動揺を抑え、神経症状の緩和を図ることを目的としてディスクシール治療(Discseel® Procedure)を行いました。
腰部脊柱管狭窄症の保存的治療についてまとめ
脊柱管狭窄症の症状が軽い場合には保存的治療(薬物療法・運動療法)などの治療法があり、疼痛が強く日常生活に支障がある場合には手術を検討されます。まずはご自身の身体がどのような状態か診断し、専門医と相談しながら治療方法を検討しましょう。当院では外科手術とは違い、椎間板を治療する手術方法で根本的な改善や腰痛再発防止につながる治療法も提案しております。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。