保険適応の拡大とは
アメリカでは昨年4月より、退役軍人の腰痛と坐骨神経痛に対して、再生治療としては初めてディスクシール治療が国の保険適応となっていました。(日本と異なりアメリカで国の保険が適応されることは極めてまれです)
その後1年以上経過して、退役軍人に対するディスクシール治療の有効性が確認されたため、今回、現役の軍人に対してもディスクシール治療が保険適応になったことが報告されています。
The DISCSEEL® Procedure – Department of Defense and the Veterans Affairs (V.A.)
国の保険認定=信頼性向上
従来、日帰り腰痛治療としてディスクシール治療、PLDD(レーザー治療)、PODT(オゾン治療)、PRP(多血小板血漿)などは北米のFDA(アメリカ食品医薬品局-日本の厚生労働省)で許可されており、民間の医療保険の適応でした。(アメリカではほとんどの人が民間の医療保険で治療を受けています)
なお、ディスコゲル治療(PIDT法・セルゲル法)はFDAでは許可されていません。今回ディスクシール治療が国の保険適応とされたことは、信頼性の点でかなりのインパクトがあります。
アメリカにおける腰痛治療の信頼度ランク
- Aランク
FDA許可あり+国の保険認定あり=治療費用は国が負担(ディスクシール治療) - Bランク
FDA許可あり=治療費用は民間保険が負担(DRT、PLDD、PODT、PRP) - Cランク
FDA許可なし=治療費用は自己負担(ディスコゲル治療、PIDT、セルゲル法)
院長の一言
本日も東京院で診察させていただきました。数年前には東京で診療をする日が来るなんて思ってもみなかったのですが、最近では当たり前のように慣れてきました。また、東京も大阪も腰痛治療の技術などは同等ですが、患者様から他院のお話を聞く限り、東京の先生の方が大阪の先生よりも冷たい印象を受けます。たとえば、目を見ないで話す、患者様の困っていることに関心を示さず、患者様を診るのではなく病気だけを見ているなど。すべてがそうではないと思いますけど、何となくドライな感じ?(アサヒスーパードライなら最高やけど)
帰りの新幹線でビール飲んで帰ります。
今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛や足の神経障害、歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚部に痛みや痺れを感じる症状です。
この記事の著者
大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任