患者様の情報
50代 男性
疾患・症状
患者様の状態
4年前より腰痛が出現し、年々悪化しておられます。ゴルフはスコアが70台と相当の腕前であり、息子様と一緒にゴルフをすることが何より楽しいと言われています。今年に入り腰痛が悪化したため、練習もできずに過ごされていたところ、レッスンプロから当院の情報を聞かれて来院されたそうです。
検査
腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎間の椎間板の厚みが減少しており、変形も伴っています。Pfirrmann分類IV度の損傷になります。

治療
Pfirrmann分類ではI-III度までは減圧治療(PLDDやセルゲル法)、III度以上はDRT法やディスクシール治療が適応になる可能性が高いと説明しました。もちろん、最終確認はAnnulogram検査で行います。
ディスクシール治療
Annulogram検査です。椎間板の損傷部分が確認されたのでディスクシール治療を行いました。

治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療後になります。

鎮静剤を使用したので、治療終了直後はぼんやりとされていました。
院長の一言
決意
「いつ治療したらいいの?」病気の状態や治療法を説明した後に、患者様から良くいただく質問です。当院では治療を押し売りする事はありませんので、治療するかどうかは、完全に患者様のご判断になります。その上で治療を早くすべきか、治療を待って様子をみるかの判断も患者様自身にお願いしております。ただし、腰の病気は徐々に進行するため、椎間板治療をすると決めたのであれば、早めに治療をする方が良いと個人的には思います。虫歯の治療と同じですね。
昨日、自宅で食事をしようと着席したら、反抗期の娘に「前に座んなや」と言われました。どこに座れと?地面に正座でもすればいいのか?グッとこぶしを握りしめて「お前には財産一円も残さんからな…」と小声で呟きながら耐えました。決意しましたね遺書の内容。

今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。
この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任