患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
昨年、患者様の息子様(50代男性)を治療させていただきましたが、今回は御本人様が治療を希望され受診されています。腰痛疾患は50%が遺伝ですので、ご家族まとめて治療をさせて頂く機会も多くあります。
検査

腰の状態は、昨年治療した息子様と非常に似ておりました。ご先祖の問題であって、お母様が悪いわけではありません。
施術内容
ディスクシール治療
MRI検査でも椎間板容量が減少していることが明らかであるため、減圧治療(PLDD、セルゲル法)を行うと悪化する事がわかっている為に適応外になります。治療法はディスクシール治療かDRT(椎間板再生治療)になりますが、息子様と同じ治療を希望されたので、ディスクシール治療を選択しております。
椎間板の損傷部位を確認して、ディスクシール治療を行っているところです。

治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療直後となります。息子様は治療後1~2ヵ月で症状の改善が見られましたが、お母様の場合は4~6ヵ月必要になる可能性が高いとご説明しました。
院長の一言
今日、国立病院の多くが赤字経営になったとニュースで流れていました。思わず「当たり前ですやん」とツッコミをいれました。今年だけでも医療材料費が30~40%と値上がりしてるのに、診療報酬はほぼ据え置きですもんね。公的病院では高度な医療機器を取り揃え、莫大な設備投資と維持費をかけて患者様を治療しているにも関わらず、医療費は据え置きですから赤字になるのは当然。黒字にしようと思えば、とある私立医大のように高度医療機器を購入せず先進治療から身を引いて、最低限の医療資源で救急外来などの保険点数が高い治療をするしかありません。残念ながら、保険診療では真面目に良い医療を提供する施設ほど赤字になります。保険診療と自由診療と組み合わせた混合診療の解禁も間近だと思います。

今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状

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坐骨神経痛

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この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任