治療症例/ 院長ブログ

薬でよくない?(70代男性)

患者様の情報

70代 男性

疾患・症状

状態

3年前に脊柱管狭窄症に対してディスクシール治療を行った患者様です。治療前は、杖歩行で5分の歩行で坐骨神経痛が出現する状態であり、日常生活に支障が生じている状態でした。記録では、治療後3ヵ月時点で杖なしで歩行が可能となり、10分以上の歩行が可能になっていましたが、本日は追加の治療を希望されて受診されました。


VAS Score(疼痛スケール)

2022年8月2025年4月
腰の痛み0点0点
下肢の痛み10点
歩行で悪化
2点
15分歩行で出現
しびれ10点
歩行で出現
5点
歩行で出現
臀部の痛み3点0点

(患者様に痛みを10段階で評価してもらい、0点は痛みがない状態を意味します)


MRI検査結果

MRI写真

治療前後のMRI写真です。向かって右側の写真が治療前(2022年8月)、左側の写真が本日の写真です(2025年4月)。悪くない状態です。


診察結果

痛みが軽減したことで、杖なしで背筋を伸ばして歩けるようになり、日常生活程度ならば問題がない状態まで改善しています。人生目標である「旅客船での世界一周旅行」を9月中旬に予定されており、十分に楽しめるように追加治療をしてほしいと希望されました。追加治療が出来ないわけではありませんが、時間的にも効果的にも約束できないこと、旅行期間中だけ神経痛を改善させるのであれば、神経痛用の鎮痛薬を服用すれば目的を達成できる可能性が高いことをご説明し、内服薬を処方いたしました。


院長の本音

私の外来を受診された患者様はご存知かもしれませんが、私はよく「日帰り椎間板治療をしなくても良いのであればそれに越したことはない」と説明しております。保存的治療(内服やリハビリ)で患者様個々の目的が達成できるのであれば、それが一番です。だって、費用も安いし、リスクも低いですもん。また、「薬を飲んで痛みが消えてニコニコしていけるんだったら、残りの人生それで良くないですか?」とも話しています。なんだか、お坊さんみたいですけど。

ヘルメット子ちゃん:薬でよくない?

さて、昨日の我らが阪神タイガースは、中日ドラゴンズに勝利しました。甲子園も熱狂していたはず。明日、日曜日は私も甲子園に行く予定です!はやく明日にならんかな?ワープなり。

ヘルメット子ちゃん:ワープ

今回の治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


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この記事の著者

医療法人蒼優会 理事長・野中腰痛クリニック 大阪本院 院長:野中康行

大阪本院 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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