患者様の情報
30代 男性
疾患・症状
状態
2015年に私が勤めていた青藍病院でPLDD(椎間板レーザー減圧治療)を行った方です。建設現場で重量物を扱う仕事をされていますが、今年3月に腰痛発作が再発し、当院を受診されました。
VAS Score(疼痛スケール)
2015年 | 2025年4月 | |
---|---|---|
腰の痛み | 記録なし | 8点 |
下肢の痛み | 記録なし | 10点 |
しびれ | 記録なし | 0点 |
臀部の痛み | 記録なし | 10点 |
(患者様に痛みを10段階で評価してもらい、0点は痛みがない状態を意味します)
MRI検査結果

2015年のMRI画像は青藍病院にしかないため提示できませんが、本日のMRI検査では明らかに椎間板ヘルニアが確認できます。
診察結果
椎間板ヘルニアが原因と判断しました。PLDD(椎間板レーザー治療)後、10年以上経過すると再発が増えてくる傾向があります。原因は無理な運動や過剰の負荷が腰にかけ続けた事です。虫歯の治療と同様で、治療を行ってもメンテナンスを怠ると再発してしまいます。治療としては、発症してから約1ヵ月経過しておりますが、自然に改善する可能性があり、鎮痛薬とリハビリで様子を見ることにしました。今後、改善が悪ければ椎間板治療を行う方が良いとご説明しました。
院長の本音
腰は消耗品ですから、治療を行い改善したとしても無理な運動を続けると再発してしまいます。ゴルフでもスキーでも腹八分目くらいで楽しむことが大切なのですが、忘れてしまいますよね「人間だもの」。目いっぱい何かをするのであれば、肉体改造を継続する必要がありますが、現実的ではありません。15年間腰痛治療をしていて気づいたのですが、出来るだけ楽をして楽しみたいのが「人」です。我々は、そのために良い医療を提供すればよいのです。

内科の治療も同様で厳しい食事制限を課しても、なかなか続くものではなく、ほどほどの制限と適切な治療で、楽しい人生を出来るだけ長く全うしてもらうことが医療の肝だと思います。
※医師によってはものすごく厳格な先生もおられますので、あくまで私の私見ですよ。あと医大の二次試験(面接)などで「患者様の性格によっては、ほどほどの制限で良い」なんて言ったらダメですよ。本音と建前はわきまえてくださいね。
今回の治療法
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)
治療期間
日帰り
治療費用
308,000円~473,000円(税込)
リスク・副作用
治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程、これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また、外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や合併症などのリスクがあります。
関連するの疾患と症状

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この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任