治療症例/ 院長ブログ

原因不明の疼痛に苦慮された50代男性

患者様の情報

50代 男性

疾患・症状

患者様の状態

2年前から腰痛を認め、様々な医療機関を受診されるも明らかな異常を指摘されず、原因不明と言われていた折に、当院の治療で症状が改善した知人から紹介され、今回受診されました。症状は右腰部から臀部にかけての疼痛です。


検査

MRI

MRIでは、椎間板L1/2は明らかな椎間板の損傷を認めますが、今回の症状の原因とは考えにくいと思います。椎間板L2/3から4/5までは、軽度の椎間板変性を認めますが、MRI画像だけでは線維輪の損傷を特定はできません。椎間板L5/Sに関しては、椎間板の変性と軽度の膨隆を認めることから線維輪の損傷がある可能性はありますが、MRI画像だけでは確証を持てませんでした。

患者様とよく相談し、椎間板L1/2から5/Sまでの全ての椎間板の検査を希望されましたので、椎間板造影検査を行いました。


施術内容

ディスクシール治療

椎間板L5/Sに関しては予想より損傷が大きく、明らかな造影剤の神経側への漏れ出しを認めました。この線維輪の損傷部からの髄核成分の漏出による炎症が症状の原因の可能性が疑われましたのでディスクシール治療を行いました。また、椎間板L1/2は明らかな損傷を認めましたのでこちらも治療を行いました。

今回は、事前のMRI検査だけでは線維輪の損傷に確証が持てなかったためとても悩みましたが、検査を行ってよかったと大変教訓になる症例でした。ただし、このようなケースは損傷がない場合もありますので、事前に十分に患者様への説明を尽くしていきたいとも考えています。


副院長の一言

最強寒波が襲来するとのことで、影響が気になるところです。今週末は東京院での診察を行いますので、交通網への影響が気になります。ご遠方からご来院予定の患者様はどうぞご留意ください。

今年から次男(幼稚園)もスキーをはじめ、ドはまりしています。今シーズンは長男やその友人家族と3回滑りに行きました。昨日も行ってきたのですが、昼食の休憩以外、朝からラストまで滑り続ける子供の無限の体力にヘトヘトになりました。1年少し前にDRT法を受けてから、減量や体幹トレーニングや柔軟を継続しており、その効果か腰は問題ないのですが、両足が筋肉痛になりました。子供についていくために筋力トレーニングも追加しないといけないみたいですので頑張りたいと思います!


今回の治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


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この記事の著者

NLC野中腰痛クリニック 大阪本院 副院長:石田貴樹

大阪本院 副院長石田 貴樹

2009年:高知大学卒業・医師免許取得、2012年:神戸市立医療センター西市民病院勤務、2013年:兵庫県立尼崎病院勤務、2014年:関西労災病院勤務、2019年:ILC国際腰痛クリニック勤務、2021年:NLC野中腰痛クリニック勤務、2022年:2年間の研修を経て10月にライセンスを獲得、2023年:医療法人蒼優会理事就任・NLC野中腰痛クリニック副院長就任


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