治療症例/ 院長ブログ

「なんとかならんか」妊娠中に出現した坐骨神経痛

患者様の情報

50代 女性

疾患・症状

患者様の状態

妊娠中に坐骨神経痛が出現するようになられましたが、出産後も改善がなく、家事で前屈動作をされると悪化する状態が続いておられます。ご主人様が当院の腰痛治療を受けられており、治療目的で来院されました。


検査

MRI

第5腰椎と第1仙骨の間にある椎間板が飛び出しており、椎間板ヘルニアと診断されますが、椎間板の容量が低下している事が明らかですので、PLDD(レーザー治療)やディスコゲル治療(PIDDやセルゲル法)などは適応外である可能性が高いと判断しました。


施術内容

ディスクシール治療

椎間板に対してAnnulogram検査を行ったところ、椎間板に損傷が確認されましたので、ディスクシール治療を行いました。

治療風景

ご主人様が隣室からガラス越しに見られているなか、治療を開始いたしました。

重要なAnnulogram検査(椎間板内の造影検査)の結果をご説明しながら、ディスクシール治療を行いました。

治療前後のレントゲン写真

治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療後になります。椎間板容量の増加が確認されます。治療後は腰部に鈍痛が出現したため、30分ほどストレッチしていただき、歩いて帰宅していただきました。


院長の一言

ヘルメット子ちゃん:思案

セルゲル治療とディスクシール治療の違いについてご質問が多くあり、困っております。セルゲル治療(ディスコゲルとよばれる医療機器を使用した治療)は、96%がエチルアルコール成分であり、組織を壊死させる作用により椎間板内の科学的融解を企図した減圧治療になります。ディスクシール治療は、フィブリン製剤(生体タンパク質)を椎間板内に投与する事で組織を修復する修復治療になります。壊死と修復では全く逆の治療法になりますし、適応疾患も異なります。皆様にもメーカーが発表しているディスコゲルの取扱説明書がありますので、確認していただければと思います。

さて、長男(中2)が火曜日に体幹トレーニング中に転倒して、左前腕を骨折(若木骨折)してしまいました。ギプス固定をしております。なんとか3月のスキーには間に合う予定ですが気を付けなくては…

ヘルメット子ちゃん:骨折

今回の治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


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この記事の著者

医療法人蒼優会 理事長・NLC野中腰痛クリニック 大阪本院 院長:野中康行

大阪本院 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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