患者様の情報
30代 男性(インドネシア籍)
疾患・症状
患者様の状態
数年前より腰痛を自覚されていましたが、改善が無いため訪日されました。
検査

腰のMRI検査です。第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板が黒くなっており、わずかに変形を伴っています。椎間板ヘルニアと診断できますが、椎間板の損傷がどの程度あるかはMRIでは判定が出来ません。つまりMRI検査だけでは治療方法が減圧治療になるか修復治療になるか不明です。
施術内容
ディスクシール治療
減圧治療(PLDDやセルゲル治療)は、基本的に椎間板の一部を破壊することを目的としております。逆に修復治療(ディスクシール治療やDRT治療)は、椎間板の外側を修復する事を目的としております。減圧治療と修復治療は全く逆の作用になる為に、治療方法の選択を間違えると病状が悪化することがあります。よって、北米で推奨されているAnnulogram検査を行うことで、損傷の有無を確認し治療法を判断する必要があります。

椎間板に治療用の管を挿入しております。
Annulogram検査を行いました。黒く映る部分が椎間板の損傷を意味しています。損傷があるため修復治療が必要と判断できました。結果的にはディスクシール治療を行っています。

治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療後になります。

患者様にも大変満足していただきました。
院長の一言
当院では北米のガイドラインに沿ってAnnulogram検査を行った上で治療方法を決定しておりますので、過去7年間、7,000近くある症例全てで間違いは犯したことはありません。

しかし、検査も行わず、あり得ない説明をして腰痛治療を行っている医療機関もあるようで、結果的に病状が悪化した症例が複数出現していることが整形外科学会でも報告されています。患者様自身も治療法についての知識が必要であり、医師の説明に騙されないようにしなくてはいけない時代なのかと思います。

どんな時代やねん。。。
今回の治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は、一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって、周りの筋肉や関節、靭帯などの広がりにより、筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
関連するの疾患と症状

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し、神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛やぎっくり腰などの症状を引き起こします。
この記事の著者

大阪本院 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任