患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
患者様は若い頃から縫製業に従事されている方で、最近まで縫製教室で講師をされていたそうです。68歳頃から坐骨神経痛が出現するようになり、昨年末頃より杖での歩行を余儀なくされていました。ご友人方と会合に出かけられる機会も多のですが、杖で歩行していることが我慢ならないために、当院を受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。第3腰椎から第1仙骨まで腰のクッションである椎間板が3箇所で変形し容量が少なくなっています。また、第4腰椎にはズレが生じており、脊柱管狭窄症を合併しています。
施術内容
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
椎間板機能の低下と慢性炎症が原因で坐骨神経痛を引き起こしていると判断し、DRT治療を行いました。杖歩行から離脱するには6ヵ月ほど必要だとご説明しております。また、当院の治療で杖歩行を卒業できる確率は病状にもよりますが、概ね7割程度になっています。
腰椎のズレ(腰椎すべり症)がある為に、慎重に治療用の管を椎間板まで挿入しております。腰椎にズレがあると、神経の通り道が蛇行している可能性があるため、治療中に神経痛が出現してしまう可能性があるためです。
治療用の管は非常に細いので、傷跡にはならず、治療後も絆創膏を貼るだけで済みます。
椎間板を検査しているところです。この後にDRT治療を行いました。
治療前後のレントゲン写真です。向かって左側が治療前、向かって右側が治療後の写真です。
治療時間は20分でした。杖歩行から卒業していただくために、筋力強化のリハビリ方法もご指導させて頂きました。
院長の一言
診療日は、ほとんど毎日ブログ記事を書いてまいりましたが、この9月で4年目に入りました。10年前にはブログを書くことなど思ってもいませんでしたが、4年前に患者様より、どの様な治療をしているのか?治療後の経過はどうなのか?などご質問を頂く事が続いたので、ブログを利用して治療方法や治療経過をご報告させて頂いております。丸3年で書いた記事の総数は700以上になり、我ながら根気強く書いているなと思います。引き続き頑張りたいと思います。
さて、話は変わりますが我らが阪神タイガースは連勝中であり、首位広島カープに3.5ゲーム差まで詰め寄っています。今日も勝利し、あわよくばゲーム差を縮めてほしいところです。逆転優勝に向けて!
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
腰椎すべり症
腰椎すべり症とは背骨が前方や後方にずれてしまう疾患です。腰痛・足の神経障害の他に間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。