患者様の情報
50代 男性
疾患・症状
患者様の状態
患者様の御曾祖父様は、12年前に私がPLDD(椎間板レーザー治療)を青藍病院で行っております。患者様の祖父も6年前に私がディスクシール治療を行っており、2世代にわたり治療に携わらせて頂きました。御曾祖父様は他界されたそうですが、御祖父の方は今もゴルフなどを楽しまれているそうです。患者様ご自身は今年7月より坐骨神経痛が出現するようになり、仕事にも支障が生じている事から早期の治療を希望され受診されています。
検査
腰のMRI検査ですが、腰のクッションである椎間板が複数か所で潰れており、足の神経も障害を受けています。脊柱管狭窄症と診断致します。遺伝的な素因も報告されております。
施術内容
ディスクシール治療(Discseel®Procedure)
ディスクシール治療及びDRT法の適応がありますが、患者様はご祖父が受けられたディスクシール治療を希望されました。
6年前はクリニックとして鎮静剤を導入しておらず、御祖父の方は局所麻酔薬のみで治療を行っておりました。患者様には、鎮静剤を使用する方が痛みや不安のないことをご説明し、最終的に鎮静剤を使用する事を希望されました。
治療用の管を4箇所に挿入しております。
ディスクシール治療を行っているところです。
治療前後のレントゲン写真です。向かって左側が治療前で右側が治療後になります。治療時間は18分でした。
院長の一言
世代をまたいで治療を担当させて頂く事も多いのですが、3世代にわたっての治療は初めての経験でした。腰痛疾患は、癌など同じように遺伝的素因がありますので、親族の方に腰痛疾患がある場合には、日頃から腰を大切に使って頂き腰痛疾患の発症を予防する事が肝要です。
来月はジャカルタの医療展覧会に参加させて頂きますので、大阪院は10月17日から19日までは休診となります。また、当院で治療したインドネシアの患者様との面談も予定しておりますので、皆様にもご報告できればと思っています。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。