患者様の情報
70代 女性
疾患・症状
患者様の状態
昨年までご主人の介護などをされていましたが、今年2月にご主人が他界なされてから右足にしびれが出現する様になられました。5分程の歩行でしびれが出現し歩けなくなる状態であり、近くの病院で内服薬の治療を受けられましたが改善が無く当院を受診されています。
検査
腰のMRI検査です。腰のクッションである椎間板が明らかに潰れており、腰の骨も変形を認めます。足の神経の通り道である脊柱管も狭くなっており、脊柱管狭窄症と診断します。
施術内容
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
しびれを改善させる目的でDRT(椎間板再生治療)を行いました。ただし、しびれが改善したとしても、しっかりと歩けるようになるためには3ヵ月ほど自宅でのトレーニングを行う必要があります。
背中の皮膚に局所麻酔薬を投与しているところです。インフルエンザワクチンなどを打った時の痛みに似ています。
治療用の管を腰のクッションである椎間板まで挿入しているところです。皮膚から10cm程度の深さに存在しています。神経に触れる事もなく痛みはわずかしか感じられませんでした。
DRT(椎間板再生治療)を行っているところです。椎間板が潰れていなければ、PLDD(椎間板レーザー治療)やディスコゲル治療(セルゲル法、PIDT法、PIDD法)などの簡易治療で済むところです。治療時間は17分程でした。
院長の一言
腰のクッションである椎間板には4種類の治療法(ディスクシール治療、DRT治療、セルゲル法、PLDD法)があります。また椎間板の外側にある神経に対する治療法としては、3種類(幹細胞関連治療-STR法、PRP治療、PODT治療)があります。腰痛治療には合計7種類の治療法がありますが、患者様の状況により最善の治療法を提供する必要があります。
さて、昨日はジャイアンツがベイスターズに勝利したことでマジックが減ってしまいました。残念です。横浜在住の患者様でベイスターズファンの方がおられるのですが同じ気持ちだと思います。
9月26日にベイスターズの本拠地であるハマスタに行ったのですが、非常に綺麗で過ごしやすいスタジアムでした。引き続き、阪神タイガースの逆転優勝を信じて応援を続けたいと思います。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。