患者様の情報
60代 女性
疾患・症状
患者様の状態
2023年春頃から腰痛と坐骨神経痛を自覚されていましたが、日常生活は可能な状態でした。2024年7月頃より右足の坐骨神経痛が急激に悪化し、歩けなくなりました。近くの整形外科病院で内服薬による治療を開始されましたが、改善が無い為に当院を車椅子で受診されています。
診察と検査結果
腰のMRI検査です。第2腰椎から第1仙骨まで広い範囲で椎間板が潰れております。足の神経の通り道である脊柱管も狭くなっており、脊柱管狭窄症と診断致します。
施術内容
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
外科的手術の適応もありましたが、日帰り治療を希望されましたので、DRT治療を行う事に致しました。
治療用の管は4本挿入しております。鎮静剤は使用せずに局所麻酔薬のみで治療を行いました。
椎間板に対して検査を行い、DRT治療を行っているところです。
治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療後になります。
治療終了後、2時間で帰宅されましたが、帰宅時に坐骨神経痛は6割以上軽減しておりました。1ヵ月以上車椅子での生活であったために、歩行していただくには数週間のリハビリが必要になります。リハビリ方法の指導もさせて頂きました。
院長の一言
当院に歩けない状態で来院され、治療を受けられた場合に歩けるようになる率は8割前後になっています。神経障害が後遺症になっていなければ改善の確率は上がりますが、目安として、歩けなくなってから1年以上経過した場合には治療成績が落ちる傾向にあります。何事も早期に治療する事が肝要です。
さて、昨日は当院のスタッフが甲子園球場に行っておりました。
タイガースが同点のスクイズバンドを決めたシーンを私に送ってくれたまでは良かったのですが、試合は惜しくも負けてしまいました。今日こそは。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。