患者様の情報
30代 女性
疾患・症状
状態
2018年7月に椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛に対してPLDD(椎間板レーザー減圧治療)を行った方です。治療後は、神経痛も改善し仕事(オフィスワーク)も問題なく行われていましたが、右足裏のしびれが残っていました。今回、6年ぶりに受診され、しびれに対して相談をされた為に、北米で行われているSTR法(幹細胞由来組織修復治療)を行う事に致しました。
疼痛スケール
治療当日 | 現在 | |
---|---|---|
腰の痛み | 7点 | 0点 |
下肢の痛み | 10点 | 0点 |
しびれ | 10点 | 5点(しびれ残存) |
臀部の痛み | 7点 | 0点 |
(患者様に痛みを10段階で評価してもらい、0点は痛みがない状態を意味します)
検査
治療前後のMRI写真です。右側の写真が治療前(2018年7)左側の写真が受診時(2024年8月)の写真です
治療前と治療後でヘルニアは吸収されておりますので、追加で椎間板の治療を行う必要はありませんが、椎間板外の神経に障害や炎症が持続している可能性があります。
追加治療
本日、椎間板外にSTR治療(幹細胞由来組織修復治療)を行っております。椎間板の傍にある神経根周囲への治療になり、しびれが改善するには数ヵ月間は必要になります。STR治療で使用する針は椎間板用の治療針より一回り細いものになっています。
院長の一言
外科手術後や後遺症で残ってしまった下肢のしびれに対しても治療できる時代が来ております。従来は椎間板のみに治療が行われていましたが、海外では椎間板外に存在する神経障害に対してもSTR法(幹細胞由来組織修復治療)などの治療を行なえるようになってきました。当院も海外の医療機関と提携し、より良い治療を提供し続けたいと考えています。
治療法
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)
治療期間
日帰り
治療費用
308,000円~473,000円(税込)
リスク・副作用
治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や、合併症などのリスクがあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。