患者様の情報

70代 女性

疾患・症状

患者様の状態

2021年12月に腰痛と坐骨神経痛で当院を受診されていた方です。当時は歩行する事もできており、治療をすることもなく様子を見られていましたが、徐々に坐骨神経痛が悪化し、最近では杖を使用しても歩く事がままならない状態まで悪化したため当院を再度受診されています。


診察と検査結果

MRI

右側の写真が2021年12月、左側が2024年8月のMRIです。見比べると神経の通り道がより狭くなっており、脊柱管狭窄症が悪化しているのがわかります。脊柱管狭窄症は治療を行わなければ徐々に神経症状が悪化してしまいます。


施術内容

DRT法(経皮的椎間板再生治療)

DRT治療を行いました。3年前より神経障害が進行している状態ですので、神経障害に対して血小板由来修復因子を中心とした治療を行いました。

治療風景①

患者様にはベッドにうつ伏せで寝ていただき、鎮静剤と局所麻酔を用いて治療を開始いたしました。

治療風景②

今回は4箇所の椎間板をターゲットとして、治療用の管(NST針)を挿入しております。

DRT治療を行っているところです。椎間板の損傷がひどい為、多めに治療薬を使用しております。

治療前後のレントゲン

治療前後のレントゲン写真です。左側が治療前、右側が治療後になります。治療後1時間ほどで歩いて頂きましたが、坐骨神経痛が半減しており喜ばれていました。。


院長の一言

椎間板ヘルニアと異なり、脊柱管狭窄症は時間の経過とともに神経障害が進行していきますので、早期の治療が大切だと考えます。治療は日帰りで完結しますし、麻痺などの合併症も生じません。(当院では6,000件以上治療を行っておりますが、麻痺などの神経障害は皆無です)
限られた人生の中で、神経痛で悩む時間はもったいないですから、早めの治療が肝要だと患者様にもお伝えしております。

さて、本当は阪神タイガースのことを書きたいのですが、ヤクルトに2連敗しており意気消沈しております。今日こそは!


治療法

DRT法(経皮的椎間板再生治療)

治療期間

日帰り

治療費用

1,430,000円~1,760,000円(税込)

リスク・副作用

治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。

禁忌事項

血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰部脊柱管狭窄症

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腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。


坐骨神経痛

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坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。