患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
状態
ゴルフが趣味でしたが、2019年頃より右足の坐骨神経痛を自覚されるようになり、2020年2月に当院を受診されています。検査の結果、第4腰椎と第5腰椎間および第5腰椎と第1仙骨間に2箇所の椎間板ヘルニアがある事が判明し、PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)を行っています。
PLDD(経皮的椎間板レーザー減圧術)を2箇所に行っています。
治療後の経過
治療直後から坐骨神経痛は消失し、仕事もゴルフも問題はなかったようですが、2024年8月にお孫様を肩車した際に腰痛が出現し、本日当院を受診されています。
検査
MRI検査です。右側の写真が治療前(2020年2月)、左側の写真が本日の写真(2024年8月)です。椎間板ヘルニアは吸収傾向であり、悪化は認めません。皮下脂肪も少なくなっており、治療後4年間で良く運動されていたことがうかがえます。
診察
腰痛は骨盤と腰の境あたりに出現しておりました。痛みの範囲は手のひらサイズであり、腰を捻ると痛みが増悪する状態でした。また坐骨神経痛は伴っていませんでした。
診断
腰椎捻挫と診断しております。お孫様を担いだ際に捻挫したものだと考えます。基本的には2週間程度で改善しますので、追加での椎間板治療は必要ないことをご説明しました。また、慣れない運動をされる場合には柔軟体操を行ってからしていただく様に指導させて頂きました。
院長の一言
腰は消耗品です。治療を行ったとしても、腰に負担をかけ続けていては再発してしまう事があります。本日の患者様は、幸いな事に再発には至っておりませんが、無理な動きを続ければ再発する可能性もあります。良く例えられるのが、虫歯の治療をしても、歯磨きをしなければ再発するのと同じです。腰痛治療後にはゴルフでもテニスでも行っていただいて構わないのですが、程々に楽しんでいただきたいのです。何事も「中庸」が肝要です。
と、偉そうなことを言いながら、お盆期間中にラーメンを食べ続け、運動もせずに4kgも太ってしまった自分がなさけないです。すみません。減量が成功するまでラーメンを禁止します。
治療法
PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)
治療期間
日帰り
治療費用
308,000円~473,000円(税込)
リスク・副作用
治療を受けた後に今までになかった腰痛や痺れ、太ももに筋肉の張りを感じる場合があります。症状や状態により個人差がありますが、手術後1週間~1ヵ月程これまでになかった症状が一時的に続くこともあります。また外科的手術と比べると確率は非常に低くなりますが、治療箇所からの感染症や、合併症などのリスクがあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。