患者様の情報

50代 男性

疾患・症状


患者様情報

元々潜水士のお仕事を長年されておられ、趣味でウィンドサーフィンやカイトサーフィンなどを続けておられる方です。現在はスキューバーダイビングの会社を運営されているそうです。今年の5月頃から腰痛と坐骨神経痛が出現し、海に潜れない状態が続いておられます。9月までに海に潜れる状態にならないといけないとの事から、当院を受診されました。今回はご本人のお客様からの紹介とのことでした。


画像検査

MRI

腰のMRI検査です。長年にわたり腰に負担をかけ続けていたため、腰のクッションである椎間板が損耗しています。容量も50%程度まで減少しており、足の神経の通り道である脊柱管も狭くなっているため、脊柱管狭窄症と診断致しました。


治療

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

現在7月のため、目標とする9月迄は約2ヵ月しかありせん。治療効果が出現し、坐骨神経痛が改善するには時間がかかる場合もあります。2ヵ月以内に坐骨神経症状が改善しない場合も想定し、内服治療も併用し、ディスクシール治療を行いことに致しました。

治療の様子①

鎮静剤は使用せずに局所麻酔のみで治療をさせて頂きました。「海の男ですから」と仰られていました。

治療の様子②

腰骨の変形もあり、治療用の管(NST針)を挿入するまで、6~7分を要しました。神経に触れる事はありませんでしたが、時間がかかり申し訳なかったと思います。

椎間板の造影検査を行っております。黒く映らなければ椎間板の損傷は軽いと判断し、PLDD(椎間板レーザー減圧術)などの治療法を行いますが、この動画では椎間板内に黒く映る部分が存在します。この場合は、椎間板の損傷が進行している状態ですので、ディスクシール治療やDRT等の治療法を選択する必要があります。

今回はディスクシール治療を行いました。治療時間は23分でした。治療後は約90分で帰宅されています。


院長の一言

本日の治療は、2ヵ月以内にダイビングができるまで改善させるという命題が与えられたので緊張しました。お約束まではできませんでしたが、最善の治療を行いましたので期待していただきたいと思っています。

さて、昨日は七夕でしたが、我らが阪神タイガースは、9回に逆転サヨナラ勝ちをしてくれました。DeNAの渡会選手には申し訳ないと思いましたが、勝負ですから仕方がありませんよね。蒸し暑い日が続いておりますが、あえて今夜はキムチ鍋を食べようかと思っております。

ヘルメット子ちゃん(キムチ鍋)

キムチ → 赤 → 広島カープ(セリーグ首位)


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


腰部脊柱管狭窄症

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