患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
状態
椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症による坐骨神経痛と腰痛により、歩行も困難な状態で2022年6月に大阪院でディスクシール治療を行っております。今年の5月頃から腰痛発作が出現するようになったために東京院を受診されました。
疼痛スケール
治療当日 | 現在 | |
---|---|---|
腰の痛み | 7点 | 動作時のみ5点 |
下肢の痛み | 10点 | 0点 |
しびれ | 10点 | 0点 |
臀部の痛み | 3点 | 0点 |
(患者様に痛みを10段階で評価してもらい、0点は痛みがない状態を意味します)
検査
治療前後のMRI写真です。向かって右側の写真が治療前(2022年6月)、左側の写真が本日の写真です
治療前と治療後で、椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症に関しては、画像上の変化はほとんどありませんが、皮下脂肪がかなり増加しています。
診察
歩行時の坐骨神経痛は消失しておりましたが、ジョギングで腰痛を自覚されています。画像の変化がないことに関しては、よく報告されており、椎間板機能の改善がMRI画像では反映されないためだとされています。今年に入り体重が7kg増加したことを確認しました。(ふるさと納税の返礼品で1月から毎月大量のお肉が届くようになったことが原因のようです)
まとめ
安静時に腰痛がなく、動作時のみに腰痛が出現していること、坐骨神経痛が消失しておりMRI検査でも問題がないことから、腰痛の原因は体重増加である可能性が高いと判断しました。体重の増加と腰痛発作は比例関係にあることが証明されており、体重減少により腰痛が改善されることも分かっています。患者様には食事制限を行うように指導し、10月に再度診察をさせていただくこととしました。
院長の一言
昨日、当院で行っているレーザー治療(PLDD)の治療成績を確認しましたが、治療後5年経過の時点で成功率93%、再発率7%と驚異的な数字でした。当院では、椎間板ヘルニアの近傍でレーザー照射を行っていることが良い成績に繋がっていると思われます。ヘルニアから離れた部位でレーザー照射を行うことは、技術的には楽なのですが成功率が低下してしまいます。レーザー治療の恩師である青藍病院の野中家久理事長(私の叔父)に感謝いたします。
さて、本日は阪神タイガースに怪我から復帰した木浪選手が戻ってくるので、非常に楽しみにしております。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が外に飛び出し神経を圧迫する疾患です。坐骨神経痛、ぎっくり腰などの症状を引き起こします。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。