患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
- 坐骨神経痛
- FBSS(隣接椎間障害)
2023年12月16日:受診
2020年に外科的手術(後方固定術)を受けられた方です。外科的手術を受けられた後、2021年12月頃に左足に坐骨神経痛が再発し歩行困難となり、杖歩行での生活となっておられました。当院を受診された際には、左下肢の筋力低下があり、手術で固定した部位の周囲の椎間板で障害が進行しており、外科的手術後の合併症である隣接椎間障害と診断し、DRT治療を12月に行いました。
2024年7月13日:再診
左下肢の坐骨神経痛は消失しておりましたが、足裏からふくらはぎにかけてのシビレが残っていました。ただし、杖なしで歩行できるまで改善したとの事でした。
疼痛スケール
治療当日 | 現在 | |
---|---|---|
腰の痛み | 5 | 0 |
下肢の痛み | 10 | 0 |
しびれ | 5 | 5 |
臀部の痛み | 10 | 0 |
(患者様に痛みを10段階で評価してもらい、0点は痛みがない状態を意味します)
検査
治療前のレントゲン写真です。複数か所の腰椎がボルトで固定されています。
MRI画像では、ボルトで固定されていない、L5/Sの椎間板が潰れています。坐骨神経痛が再発した原因と考えられます。
治療
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
L5/SにDRT治療を行っています。
再診
治療後、半年経過したレントゲン写真
治療後、半年経過したMRI画像
診察結果
今回の診察の目的として、しびれの改善がありましたが、下肢のしびれに関しては後遺症である可能性が高いとご説明しております。しびれに関しては、内服薬以外であれば、SCS(脊髄神経刺激療法)やSTR(幹細胞培養上清治療)がある事も説明させて頂きました。
院長の一言
ディスクシール治療やDRT治療でも、腰痛や坐骨神経痛などの痛みに対しては効果が高いのですが、しびれなどの感覚障害に対しては有効率が73%前後と低くなっています。理由は、神経自体の損傷が後遺症になっている可能性が高い為です。しびれに関しては、別途神経に対する治療が必要になる可能性があり、海外でも幹細胞による治療が試みられております。当院でも紹介する事ができますので、ご相談いただければ幸いです。
昨日は阪神タイガースが負けてしまいましたので、午前中はしょんぼりしておりました。診療には影響しない程度ですけど笑
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。