患者様の情報
60代 男性
疾患・症状
患者様の状態
テニスを趣味にされている方ですが、1年前から右ふくらはぎの部分に痛みとしびれを自覚する様になられていました。今年に入り、右臀部に神経痛が新たに出現するようになり、4月からテニスが出来なくなってしまわれました。内服薬では効果が無く、外科的手術を勧められましたが、拒否されて当院を受診されています。
検査
腰のMRI検査です。椎間板も変形し潰れており、足の神経の通り道である脊柱管も狭くなっている状態で、脊柱管狭窄症と診断致します。
治療
DRT法(椎間板再生治療)
椎間板と周囲の炎症を改善させ、神経症状の緩和を図ることを目的にDRT(椎間板再生治療)を行いました。
採血検査をしていただいた後、ベッドにうつ伏せになって頂きました。点滴から鎮静剤を投与し、寝ていただいております。
NST針を椎間板まで挿入しております。もし鎮静剤を使用しなければ痛みが出現します。
椎間板を検査しているところです。椎間板容量が明らかに減少しており、Annulogram検査は陽性(繊維輪損傷がある)になっています。治療時間は22分でした。
院長の一言
本日の外来ではちょうど6年前に治療をさせて頂いた患者様が来院されました。カラオケ大会で転倒し、腰を打撲されておりました。腰痛が2週間以上続くためにレントゲン検査をしたところ、第1腰椎の圧迫骨折を認め、2ヵ月の安静が必要とご説明しました。
当院も7年目に入り、治療件数も数え切れなくなってきました。まだまだ頑張りますので、皆様よろしくお願いいたします。
治療法
DRT法(経皮的椎間板再生治療)
治療期間
日帰り
治療費用
1,430,000円~1,760,000円(税込)
リスク・副作用
治療後は内出血・腫れ・発赤・疼痛・かゆみ・変色・および圧痛が発生することがあります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
禁忌事項
血液疾患に罹患中の方(血小板減少症、高度の欠乏性貧血など)、感染に伴う全身症状(発熱など)、癌・悪性腫瘍と診断され術後治療中の方は治療できません。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは背骨にある神経の通り道「脊柱管」が狭くなる疾患です。腰痛、足の神経障害や歩行困難などの症状を引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などを原因とし、腰から下部の臀部や脚に痛みやしびれを感じる症状です。