患者様の情報

60代 男性

疾患・症状


患者様の状態

本日も東京院で診察をさせて頂いたのですが、坐骨神経痛に悩まれて、複数の腰痛クリニックを受診されている方が来院されました。他のクリニックでも日帰り治療を説明されていましたが、説明に納得出来ないために、当院を受診されたようです。


検査・診察

MRI

腰のMRI検査結果ですが、第1腰椎から第5腰椎の間にある椎間板が潰れて変形しております。椎間板の容量は50%以下になっています。

疑問

他院での説明は、椎間板を治すために、ディスコゲル(インプラント)を入れましょうとのことでした。ディスコゲル(インプラント)の主成分はエチルアルコールと金属(タングステン)です。海外でもディスコゲルは使用されていますが、今回のような椎間板の容量が低下している場合には禁忌です。理由はエチルアルコールが、椎間板を損傷させてしまうためです。

疑問

なぜ他院では、海外で禁忌とされているディスコゲル治療を勧めたのか?
患者様より詳細をお聞きする限り、椎間板の損傷の疑いを見落としていたのではないかと思われます。

なお、当院では椎間板の容量が減少しているために、椎間板造影検査を行った上で、フィブリン製剤(生体成分)を用いた修復治療をお勧め致しました。


院長の一言

東京では、自費治療の分野に進まれる若い先生が多く、治療経験が5年未満の先生が独立してクリニックを運営されていることもありますが、腰痛でも美容外科でも技術や知識が不十分な場合もあるようで、東京では患者様がクリニックを選ぶ際には注意が必要だと思いました。


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任