患者様の情報
70代 男性
疾患・症状
患者様情報
坐骨神経痛があるため遠隔画像相談をさせていただき、脊柱管狭窄症に対する治療法などを説明させていただきました。しかし、当時は症状が軽いため、診察も受けられず様子を見られていました。しかし、2024年5月の連休中にお孫さんを抱っこした後から急激に坐骨神経痛が悪化し、歩けない状態となられ、本日東京院を初めて受診されました。
疼痛スケール
遠隔画像相談時 | 現在 | |
---|---|---|
腰の痛み | 0点 | 安静時0点 |
下肢の痛み | 安静時0点 運動時5点 | 安静時10点 |
しびれ | 0点 | 安静時5点 |
臀部の痛み | 安静時0点 運動時5点 | 安静時10点 |
VASスコア:最大限感じる痛みを10点、痛みが無い状態を0点として評価しています。
画像検査
安静時にも神経痛が出現している状態で、最近1ヵ月間はほとんど動けない状態で、下肢筋力の萎縮がみられていました。
遠隔画像相談時のMRI
第1腰椎から第5腰椎まで4箇所の椎間板が潰れており、中等症の脊柱管狭窄症が見られます。
現在のMRI
明らかに脊柱管狭窄症の悪化が見られます。症状も勘案すると重度の脊柱管狭窄症と診断します。約1年でかなり病変が進行しており、悪化を認めます。
対策
まずは神経痛を改善させないと日常生活が破綻してしまいますので、内服薬による鎮痛治療を開始しました。同時に外科的手術、ないしは椎間板治療を検討するようにご説明させていただきました。
問題点
脊柱管狭窄症は進行性の病気ですから、発見された時点で少なくともリハビリ等を開始し、病気の進行を予防しつつ、定期的な検診を行う必要があると考えます。治療開始が遅れると神経障害が後遺症になってしまうので、早期治療が肝要です。
院長の一言
昨日と今日は東京院に来ております。新規の患者様だけでなく、以前に治療をした関東在住の患者様も診察をさせていただきました。
昨日の夜は、大学の先輩と本場のもんじゃ焼きをおいしくいただきました。大阪ではお好み焼き店が多いですが、東京ではもんじゃ焼き店が至る所にあります。
歌舞伎町一番街も歩きました。人出は大阪の難波とさほど変わりませんでしたが、関西弁が聞こえないのが寂しかったです。
治療法
ディスクシール治療(Discseel® Procedure)
治療期間
日帰り
治療費用
1,320,000円~1,650,000円(税込)
リスク・副作用
治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。
この記事の著者
医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行
2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任
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椎間板変性症とは背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形する疾患です。椎間板の変形により、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症やすべり症など様々な病気につながる恐れがあります。
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