患者様の情報

60代 男性

疾患・症状


患者様情報

2022年3月に腰痛と右足の坐骨神経痛に対して、ディスクシール治療を行いました。ロードバイクが趣味であられ、60歳で定年退職されてからの楽しみでもあられました。(奥様はロードバイクに反対されていましたが)治療後、2022年5月頃にはロードバイクを再開できるまで回復されていましたが、最近になって、起伏の激しい道で腰部に鈍痛が出現するようになったことから、心配になり当院を受診されています。


疼痛スケール

治療当日現在
腰の痛み9安静時0・運動時5
下肢の痛み70
しびれ30
臀部の痛み40

VASスコア:最大限感じる痛みを10点、痛みが無い状態を0点として評価しています。


画像検査

肢の神経症状は認めず、神経学的所見でも異常は見当たりませんでした。腰部を叩くと鈍い痛みが出現する、叩打痛と呼ばれる所見が得られる程度でした。歩行時の腰痛は認めません。

治療前のMRI

治療前MRI

第1腰椎から第1仙骨まで5箇所の椎間板が潰れており、脊柱管狭窄症も明らかです。

治療後のMRI

治療後MRI

脊柱管狭窄症の改善が見られており、椎間板機能の改善が2次的に確認されます。


結果

叩打痛を伴っていることから、腰の不安定性が疑われました。腰に負担のかかる動作をした際に、筋力の低下などで腰椎が不安定であると、腰が動揺し腰痛が出現しますので、腰椎不安定症と診断されます。原因は、過度の負荷と筋力低下です。患者様には、体幹筋力を強化するか、起伏のある道を走らないようにするなどの対策が必要であるとご説明しました。2年前に治療した部分に問題はないこともお伝えしております。


院長の一言

新大阪で開院してから、丸6年になります。6,000名の腰痛患者様に治療をさせて頂くなかで、私も多くの学びを得ました。一番学んだことは、患者様のご希望がどこにあり、それを達成する為に、我々は何を提供できるのかと言う事です。例えば、腰痛を直しても、まっすぐ歩く事が出来なければ意味がなく、歩くためにはリハビリ方法を提供するなど、他の治療法も組み合わせて対策を行う事が必要となります。病気を診るのではなく、患者様を診る事が大切だと学びました。7年目に入りますが、たゆまぬ努力を怠らず、患者様に選んで頂けるように診療を続けたいと思います。


治療法

ディスクシール治療(Discseel® Procedure)

治療期間

日帰り

治療費用

1,320,000円~1,650,000円(税込)

リスク・副作用

治療後2週間程度は一時的に症状が悪化する可能性があります。ごく稀に椎間板の容量が増えたことによって周りの筋肉・関節や靭帯などの広がりにより筋肉痛や腰の違和感が出現することもあります。


この記事の著者

医療法人蒼優会理事長・NLC野中腰痛クリニック院長:野中康行

医療法人蒼優会 理事長
NLC野中腰痛クリニック 院長野中 康行

2002年:川崎医科大学卒業・医師免許取得、2006年:神鋼加古川病院(現加古川中央市民病院)勤務、2011年:医療法人青心会郡山青藍病院(麻酔科・腰痛外来・救急科)勤務・医療法人青心会理事就任、2018年:ILC国際腰痛クリニック開設、2020年:医療法人康俊会開設・理事長就任、2021年:NLC野中腰痛クリニック開設、2023年:医療法人蒼優会開設・理事長就任


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